
2025.12.18
事業内容
ITサービス事業、社会インフラ事業
従業員数
単独22,036名(2023年3月末現在)連結118,527名(2023年3月末現在)
内定辞退率49.2%。これが2025年卒採用の現実です。約半数の学生が内定を辞退する時代において、企業が「集める」「見極める」「採用する」という一方通行のアプローチを続けていても、学生には選ばれません。
これからの新卒採用はどうあるべきか。キーワードは「候補者体験(CX)」と「ロールモデル」です。本記事では、新卒採用のパラダイムシフトと、その実現方法を実践企業の事例とともに解説します。

新卒採用が大きく変わろうとしています。
これまでの採用:企業主語・一方通行
企業が情報を一方的に発信し、大量の学生を集め、その中から自社に合う人材を選抜する。効率的な処理が優先され、「会社が学生を選ぶ」というスタンスが基本でした。
しかし、少子化、価値観の多様化、情報の透明性が高まる中で、この従来型のアプローチは機能しなくなっています。
これからの採用:学生起点・双方向
企業と学生が互いにパートナーとして向き合い、出会い、理解を深め、納得して選び合う。「互いに選び合う」というスタンスへの転換が求められています。
この変化を実現するのが、「候補者体験(Candidate Experience)」という考え方です。「候補者体験(CX)」とは、候補者が企業と接触するすべてのタッチポイントにおける体験の質を指します。認知から応募、選考、内定、入社前、入社後に至るまで、一貫して質の高い体験を提供することで、候補者の満足度とエンゲージメントを高めます。
候補者体験(CX)の重要性が高まっている背景には、3つの社会的トレンドがあります。
第一に、内定辞退率の上昇です。株式会社リクルート「就職白書2025」によると、新卒採用における内定辞退率は24卒の47.4%から25卒で49.2%へと上昇しています。
第二に、キャリア迷子時代の到来です。リクルートワークス研究所の調査によると、20〜30代の2人に1人がキャリア迷子になっています。将来のキャリアパスが見えにくい時代だからこそ、学生は「この会社で働く自分の未来」を具体的にイメージできる体験を求めています。
第三に、Z世代の企業選び基準の変化です。Z世代は、給与や福利厚生だけでなく、「自分の価値観に合うか」「どんな働き方ができるか」を重視します。talentbookが実施した調査では、65.8%の学生が「ロールモデルとなるコンテンツが入社意向度に影響を与える」と回答しています。
参照:「ロールモデルのキャリア影響度実態調査2025」レポート」)
これらのトレンドが示すのは、企業情報を一方的に伝えるだけでは、もはや学生の心は動かないということです。
質の高い候補者体験(CX)を実現するには何が必要なのか。その答えが「ロールモデル」です。
ロールモデルとは、「あの人のようにスキルを高めたい」「あの人のようにリーダーシップを発揮したい」といったように、スキルや価値観など多面的に自己を投影し、「自分も成長したい」と思える存在を指します。新卒採用においては、「この会社で働く自分の未来をイメージできる社員」がロールモデルとなります。
ロールモデルは、採用の3ステップそれぞれで重要な役割を果たします。
STEP1. 「出会う」での役割
多様なロールモデルの発信により、学生は自分に近い社員、共感できる価値観を持つ先輩と出会います。この出会いが、「この会社をもっと知りたい」という興味の起点となります。職種、入社年次、キャリアパス、ライフスタイル、出身背景など、様々な軸で多様な社員を紹介することで、より多くの学生が「自分に近い人」と出会えます。
STEP2. 「深まる」での役割
ロールモデルのリアルなストーリー、対話を通じて、企業理解が深まります。仕事のやりがいだけでなく、葛藤や失敗、その乗り越え方を知ることで、学生は入社後の自分を具体的にイメージできるようになります。入社の決め手、入社後のギャップ、失敗経験とその学び、今後のビジョンなど、等身大のストーリーが学生の共感を生みます。
STEP3. 「選び合う」での役割
サイバーエージェント常務執行役員CHO曽山哲人氏のインタビューでは、「10人以上の社員と接触することで学生の安心感が高まる」とお話しされていました。複数のロールモデルとの接点を持つことで、学生は「この会社なら自分も活躍できる」という確信を持ち、互いに納得した選択へとつながります。
ロールモデルとの出会いは、単なる情報提供ではありません。学生が自分の未来を重ねられる社員と出会い、対話を深め、最終的に互いに選び合う。この一連のプロセスこそが、新卒採用の本質を変えるのです。
▼曽山氏インタビュー記事:
サイバーエージェント流「ロールモデル」を活用した新卒採用戦略

事例① 株式会社JCOM〜3ステップで実現した採用CX改革〜
実際にロールモデルを軸にした候補者体験(CX)で成果を出している企業の事例を紹介します。
課題
JCOMが抱えていたのは、母集団形成と内定承諾率の向上という課題でした。多様な職種とキャリアパスがあるものの、学生への認知が十分でなく、入社後のイメージを持ってもらいにくい状況がありました。
取り組み:3ステップの候補者体験を設計
JCOMは3ヶ月で18本のロールモデル記事を量産し、採用の3ステップ全体で戦略的に活用しました。
STEP1:「出会う」では、多様な職種・年次の社員を紹介することで、幅広い学生との出会いの入口を創出。SNS連携により、学生が自分に近いロールモデルを見つけられる設計にしました。
STEP2:「深まる」では、ロールモデル記事を学生対応の「武器」として活用。説明会では学生の関心に合わせて関連記事を紹介し、面接では配属先の先輩社員の記事を共有することで対話を深めました。学生が事前に記事を読んでくることで、会話がより本質的になり、企業理解が加速しました。
STEP3:「選び合う」では、内定者に近い年次の先輩記事を届けることで不安を解消。複数のロールモデルとの接点により、互いに納得した意思決定をサポートしました。
成果:
SNS経由で採用サイトへの流入が増加
学生との対話の質が大きく向上
内定承諾率の改善
▼詳細の事例インタビューはこちら
「コース別採用の課題を「社員インタビューAI」で解決。J:COMが実践するコンテンツ制作術」
事例② 横浜銀行〜発信頻度の向上が生んだ継続的な出会いと深まり〜
課題
地方銀行として金融業界の魅力をいかに訴求するかが課題でした。特に若手社員のリアルな働き方や成長実感を伝え、学生に「自分の未来がここにある」と思ってもらう必要がありました。
取り組み:発信頻度の向上で継続的な候補者体験を実現
横浜銀行は、記事公開までの期間を最大2ヶ月短縮し、公式Instagramと連携することで情報発信頻度を大幅に向上させました。
STEP1:「出会う」では、継続的にロールモデルを紹介することで、学生との接点を最大化。短いサイクルでの発信により、認知段階から多様な社員との出会いを創出しました。
STEP2:「深まる」では、選考プロセス全体で一貫してロールモデルとの接触を設計。リアルなストーリーを通じて、企業理解を深め、腹落ちする共感を生み出しました。
STEP3:「選び合う」では、記事制作の工数削減により、採用担当者が学生対応により多くの時間を確保。対話の質が向上し、互いに納得して選び合う関係性を構築できました。
成果:
エントリーシート提出数が21%増加
選考全体の歩留まり改善
内定者の多くがロールモデル記事が志望度向上につながったと回答
横浜銀行の事例は、発信頻度の向上が継続的な候補者体験を生み、新卒採用成果に直結することを示しています。
▼詳細の事例インタビューはこちら
「母集団・エントリー数がV字回復──talentbookで実現した効率的・効果的な情報発信」

新卒採用は大きな転換点を迎えています。内定辞退率49.2%という現実は、企業主語の一方通行では学生に選ばれないことを示しています。
これからの新卒採用は「候補者起点・双方向」です。企業と学生が互いにパートナーとして向き合い、出会い、理解を深め、納得して選び合う。この候補者体験(CX)を実現するのが、ロールモデルを軸にした採用戦略です。
事例で紹介したように、
採用の3ステップ「出会う→深まる→選び合う」を一貫して支えるのが、talentbookが提供する3つの機能です。
機能1:ロールモデル診断
学生一人ひとりの価値観に合わせて最適なロールモデルをマッチングし、「出会う」を最大化します。
機能2:AIインタビュー・社員ストーリー
従来1ヶ月以上かかっていた記事制作を数日に短縮し、継続的な発信で「深まる」を効率的に創出します。
機能3:候補者体験の質向上+辞退改善
社員と学生の対話を最適化し、複数のロールモデルとの接点により「選び合う」を実現します。
集める採用から、選び合う採用へ。
一方通行から、双方向へ。情報発信から、体験創造へ。
ロールモデルを軸にした候補者体験(CX)が、これからの新卒採用を変えていきます。