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【コンカー×at Will Work】個との関係性の変化から紐解く、企業カルチャーの「これまで」と「これから」 ー re:Culture #4(後編)

株式会社コンカー代表取締役社長 三村真宗氏と一般社団法人at Will Work 代表理事 藤本あゆみ氏をお招きし開催したイベント「re:Culture #4」のレポートの後編です。企業・個人・社員の働き方の醸成や働き方の選択、企業と従業員のコミュニケーションの在り方など、企業カルチャーにまつわるテーマを中心にお話しいただきました。

INDEX

※本記事は【コンカー×at Will Work】個との関係性の変化から紐解く、企業カルチャーの「これまで」と「これから」 ー re:Culture #4(中編)の続編です。

「多様性」と「働きがい」を両立する企業カルチャーの醸成とは?

大堀航(以下大堀):最後のテーマに行きたいと思います。「③多様性と働きがいを両立する企業カルチャーの醸成とは?」です。我々のre:Cultureも含め、キーノートセッションの中心的なテーマになってくると思います。

企業カルチャーというところは、テーマとしても大きい、抽象度の高いものであるというのは感じていますが。両立する企業カルチャーの醸成というところで、まず今、日本の企業さまが取り組もうとしている、取り組んでいること。

まずは、藤本さんにお聞きできればと思います。ここに対しての本気度や覚悟。覚悟を持って臨んでいる企業さんのアプローチや課題、どういうタイムラインでこれをつくっていこうとしているのかを、お教えいただきたいなと思います。

藤本あゆみ氏(以下、藤本):経営者の方々は、皆さん、ものすごい本気だと思います。やはり会社を続けていく、成長させていく中で。質問にもありましたが「働きがい」と「働きやすさ」は違うんですよね。環境を整えたら皆が勝手に働いてくれて、働きやすいから良い会社かというよりは、ちゃんと成果を出さないと社会からも評価されません。

ボランティアでビジネスをやっているわけではないので、ビジネスを推進していくときに、そこにちゃんと皆が働きがいを持って働いてくれると成果が上がるはずです。環境が良くなったから良いというところではないというところをどれだけ整備できるかが大事だと思います。

ちゃんと成果を出し続ける、社会に貢献し続ける会社を続けていくためには、こういう成長カーブが必要だというふうに、経営者の皆さんは考えていらっしゃいます。その中で、キーワードが「多様性」「働き方改革」「DX」「オープンイノベーション」など、それに全部関わってくることだと思います。

だから、上の方と話していると「こうしなきゃいけない」「こうあるべきだ」みたいなところははっきりされているのですが、それがちゃんと全体に広まっているかどうかというのは、また別の話です。そこに皆さんすごく問題点を感じられているのかなというのはあります。皆が「そうだそうだ!」と思ってすぐにできるものもでもなかったりする大きな課題です。

さっき、三村さんもおっしゃっていたように「自分たちはどういうところに行くのか」「どんな会社なのか」「何を成し遂げる場所なんだっけ?」というのが、あらゆる方向で理解されて、皆がちゃんとそれに乗っ取って納得しているかどうかみたいなところが重要です。そこを皆さん、すごくもがきながら取り組まれているなという印象があります。

大堀:例えば、経営層の方と、現場でそれこそカルチャーを担うような方々の意識の違いや課題感、もっと両者がこうなったら良くなるというお考えはありますか?

藤本:あります。さっきの「働きがい」と「働きやすさ」のところがまさにそうです。

よくあるのは「うちの会社はこんな制度がないからいけてない」「なんでうちは在宅ができないんだっけ?」とか、現場の方が嘆いていらっしゃるケースがあります。現場の方は現場の方で、ちゃんと成果を出さないと。すごく乱暴な言い方をすると、会社の一員であるからには成果を出さないといけないと思います。

良い文化や良い制度があるからその会社で働くのではなくて、何かをちゃんと返すから、そのぶん、それを成し遂げるための制度や環境がある。ちゃんと1対1の関係であるということを理解する必要があると思うんです。「自分にはこういう権利があるから、働きやすい環境であるべきだ」ではなくて「自分はこういうことが貢献できるので、もっと貢献するためにこんなことができませんか?」というような会話ができると良いと思っています。

「何を成し遂げないといけないか」という自分のミッションがはっきりしているということが必要かなと思います。

経営陣のほうでも「こういうことをしてほしい」「うちの会社はこういう方向に向かっているから、これを成し遂げるために一緒にやろう」「あなたにこれを期待したい」というようなコミュニケーションができているところは、比較的、そこを「どう、より良くしようか」という会話になります。

「こっちはできていない」「この人はやってくれない」みたいなことで躓いている場合は、外から見ているとうまくいっていないなと思うところはあります。大きい会社であればあるほど、それがすごく複雑です。何も変化していない気がすると言って、皆が停滞感を感じてしまうところは、そこにあるのかなと思います。

大堀:おっしゃっていただいた「会社である以上」という前提と「高め合う」というところが本当にポイントになってくるのかなと思います。

多様な価値観を持った社員同士を繋げるために必要なこと

大堀:三村さんのコンカーさんでも、まさにそうしたコミュニケーション、経営陣と働く方々のコミュニケーションも、今、藤本さんがおっしゃったような熱量、会話の中身、そのようなものは本当に多いですか?

三村真宗氏(以下、三村):そうですね。多様性の観点で言うと、性別や国籍の多様性は、本当に当たり前だと思います。人の属性に関係なく、いかに「会社として求める能力を持っているか」だと思います。バックグラウンドや価値観も多様であればあるほど良いと思っています。 

その一方で、先ほども触れましたが、あまりにも価値観にずれが生じてくると、歯車が狂ってきてしまうと思います。たとえば、営業にもいろんなスタイルがありますよね。数字だけ上げれば、あとはバックオフィスがどうなろうと、システムであれば導入が失敗しても関係ないという「数字が命」みたいな営業もいれば、お客さんが幸せにならない限り、数字が上がろうと絶対に売らないという営業もいるし。会社としてどちらを大切にするかということをきちんと明らかにする必要があると思います。

その意味では、多様な価値観を持った社員と社員を繋げることが必要だと思います。

ミッションやビジョンや価値観を共通する、昔ながらに行われている、経営の第1章1ページに書いてあるような取り組みをきちんとやるかどうかということが大切だと思います。

いろんな価値観や考え方を持っていても「私たちはこういうミッションがあるから、企業体として存続しているんだ」「こういうビジョンを持って走っているんだ」「こういう価値観を大切にしているんだ」ということが明らかになっていれば、いろんな才能を持ったタレントの力のベクトルが合ってくると思うんですね。

ミッションやビジョンや価値観があるかどうかと聞くと、多くの企業が「ある」と答えるのではと思います。でも、それがほこりの被ったものになっていないか、本当に血の通った、社員がコミットできるようなものかどうかという点を見直すことが大事です。
私たちは全体を総じて、「コンカージャパンビリーフ」と呼んでいますが、ビリーフ、つまり信念を分かち合えるかどうかが大切かなと思います。

藤本:ここ最近、ミッション/ビジョン/バリューの見直しというのを各社がやっていて、かっこいい英語に落とし込んでいるケースがあると思います。形にとらわれすぎているというのが、もったいない。さっきのまさにほこりを被らせないようなもの、それがちゃんと真ん中にあるような仕掛けづくりはすごく大事ですよね。

三村:本当にそう思います。特にビジョンは数年おきに変えていかないと、どんどん陳腐化していくんですよね。ちゃんと事業が成長していれば、立てたビジョンに対して、実態がキャッチアップしていくはずですから。だから、3年ごとに新しいビジョンを立てないといけないんですね。

本音で言うと、新しいビジョンをつくるのは骨が折れるんですよね。だから、本当は、正直言うと、面倒くさいからやりたくないんですよね。でも、ビジョンがないと、力が収斂していきません。「3年前に立てたビジョンから2年経ったから、ちょっと変えなきゃいけない」と自分を奮い立たせて、変えるんです。変えると、新しいビジョンが示されて、それに向かって社員の力が収斂していきます。

例えば、当社の直近のビジョン。我々は、経費精算のクラウドサービスを提供しています。経費精算って面倒くさいじゃないですか。だからそれを簡単にするとか、楽にするというビジョンではなくて、経費精算という仕事そのものをなくすということをビジョンにしています

そうすると、例えばいろんな部門の戦略のABCDがありますが、なぜそのABCDをやっているかというと、部門戦略がこうだから。なぜ部門戦略がこうなのかというと、その先には、経費精算がなくなる世界をつくるからと、一本筋が通っているんですよね。一本筋を通せるようなビジョンをつくるという努力を惜しまないことが大切かなと思いますね。

藤本:それがあると、さっきおっしゃっていた、いろいろな方々がいても、例え同じ会社に集わなくても、判断基準がそこにあるので、規律ができて結果的に、自分で自走できて成長や動きが早くなるんですよね。それが浸透していないと、1個ずつ管理しないとどこにいくか分からないので、そのぶん管理コストがかかるというのはあると思います。

だから、カルチャーの醸成が大事と簡単に言うけれど、それをちゃんと理解してやっているかというのは、最も大事なポイントかなと思います。

三村:蛸壺化の抑止にも繋がるんですよね。会社は、部門横断的にバリューが連鎖していきますから。
一方で、放っておくと、動脈硬化のように蛸壺化が進むじゃないですか。でも、部門横断的なビジョンやミッションがあることで、他の部門と連携するときに蛸壺化せずに、会社として「あのビジョンがあるからこういう連携が必要なんだよね」と、皆、腹落ちをしてやるんですよね。特に外資系だと「この仕事は、私のKPIに関係するんでしたっけ?」という、あるあるの部門間の応酬がありますが、そういうやりとりだけは起こしたくないんですよね。

藤本:「何のために働くのか」というところは、それが一番はっきりします。自分の権利を主張するよりも「こう働くと良いんだ」というふうに目線を変えるというのも、カルチャーの大事なポイントかなと思います。

三村:そうですね。目線を上げる。経費精算をなくすというビジョンをやり遂げようと。やり遂げれば、10年後、20年後を振り返ったときに、日本から経営生産がなくなっている。なぜなくなっているかというと、私たちが取り組んだからだと。そう言えるようになろうじゃないかと、社員と言うんですよね。

大堀:「こういう方向で働くと良いんだ」ということをしっかり認識して働く。

それで結果が出た人がより評価されるという、この循環がセットですよね。バリュー体現者をいかにヒーローにしていくかじゃないですか。当社のサービス・特性も、まさに会社の理念・バリューを体現している人を増やしていくというところにあります。
そこが全部繋がっている状態にするというのが、ものすごく手間と時間がかかる。本当に執念・覚悟が必要なポイントなんだなと、今、お二人のお話を聞いて思いました。

企業カルチャーの醸成をどのような時間軸で考えるのか

大堀:一つ、僕からも質問があります。大企業の場合は、これまで積み上げてきた過去の文脈も含めて、カルチャーがあると思います。ここから、より新しい時代、DXを含めて変わっていかなければいけないという中で、もし今から取り組むならどういう時間軸で見ていくのか。基本的には、終わりなき旅だと思っていますが。抽象的な問いになってしまって申し訳ないのですが、たくさんのデータ量をお持ちの藤本さんの頭の中にはどんなことがありますか? 

藤本:そうですね。皆さん、突然「GAFAみたいになりたい」という感じになるので(笑)。自分たちが積み上げてきた歴史をちゃんと重んじるということをよくお話ししています。

いきなり変わらないんですよ。もし、本当に変わろうとするなら、本当に積み上げてきた時間を考えた上で、どのくらいのスパンで自分たちが変わっていくべきなのかというのを考えなければいけません。いきなり表面だけかっこいい会社を目指すというのは、やめたほうが良いというお話をしています。

大企業の歴史は本当にすごいですが、しかし意外と社史を知らない人は多いです。「なぜこの会社ができたのか」「何を大事にしてきたのか」それをもう一回見直すというのも、新しい何かをするときにはすごく大事だと思い、そういう話をよくしています。

大堀:過去を重んじること、過去を知ること。社史を知らないというのは、けっこうあるケースだなと思います。アーカイブされたものから学び、どう変えていくかというところは、本当に大事なポイントだなと思います。

藤本:会社の立ち上がりのストーリーをお聞きすると面白いですよ。「なぜこれをやろうと思って、社会に何を投げかけたいのか」みたいなことは、普通のスタートアップよりも、すごく熱い思いがあったりするので、掘るのが意外と楽しいです。

大堀:そうですよね。コンカーさんの中でも、過去の歴史やそういう類のものはストックされているんですか? 「会社でこういうことがあったよね」とか。

三村:当社はまだ10年の歴史なので、そこはあまりストックはしていないですかね。ただ、さっきの改革の時間軸で言うと、最近、マネージャーとの会話で「こういう戦略をやってみたら?」とアドバイスをすると「あっ、分かりました。この戦略をなんとかやるようにしていきます」と言う人がいるんです。

「なんとかしていきます」って、私はすごく嫌いなんです。「いつするんだよ」って(笑)。「なんとかしていきます」と言う人に限ってすぐやりません。だから「なんとかしていきますって言わないでください」って、私はつっこむんです。
働きがいの取り組みもそうです。「働きがいに取り組んでいきます」って、ぜんぜん駄目です。まず「何を具体的にやるのか」だと思います。繰り返しで恐縮ですが、アドバイスとしては、ミッション・ビジョン・コアバリューが原点なのでそこから始めることです。

先日、日本の大手企業の社長さんに偉そうにアドバイスをしてしまったのですが、その社長さんが「三村さんの話を聞いて、自社のミッションはあるけど、ビジョンが言語化されていないということが分かりました」とおっしゃったんです。そこで、「すごいビジョンをつくって、これを決めて、金科玉条のごとくやっていくというのはなかなか無理なので、ビジョンは、まず仮説ベースでつくって、走りながら変えていっても良いものなんですよ」とアドバイスしたんです。

実は、そういうカジュアルな気持ちでビジョンを経てると、意外と良いものができて、使えるんですよね。一番の障壁は、最初に着手するときの心理的障壁なんですよね。私もさっき面倒くさいと思っちゃいましたが、たぶん、どの経営者も正直そう思っていると思います。そこをカジュアルにはじめて、もし間違っていたり内容がおかしいと感じたら直すという前提でやる。

働きがいの取り組みというのは「働きがいの取り組みをしていきます」ではなく、まずは具体的な取り組みに着手する。進めていく上で変なところがあれば直すというやり方で進める必要があると思います。

大堀:ありがとうございます。最後に、この企業カルチャーと向き合っていく上での心の持ちよう、マインドセットを含めて、お二人から一言ずつアドバイスを頂きたいと思います。藤本さんからお願いいたします。

藤本:「部署別に細かくやりましょう」という話を一番はじめにしましたが。三村さんがおっしゃるとおり、やらないと分からないんですよね。すごく長い時間をかけて計画しても、それをやる頃にはものすごく状況が変わっていたりします。まさにコロナで皆さんそれを感じていらっしゃるはずです。

必要なことは、小さく、早く、どんどんやっていく。必要であれば、それをどんどん大きくしていく。それを重ねることが必要です。まずはやってみるということが本当に大事だというのは、今日皆さんにお伝えできれば良いなと思っています。あとは言語化も大事です。

大堀:ありがとうございます。三村さん、お願いします。

三村:働きがいの取り組みを本気でやるには、経営者のコミットメントが不可欠です。

今回出ておられる方は、人事の方が多いとお伺いしていますが、人事ご担当の方々だけの力では働きがいの取り組みは難しいと思っています。ミッションやビジョン、あるいは経営者の理念・考えを伝えるという活動が不可欠ですので、是非皆さんの会社の経営者・経営層を巻き込んでいただきたいと思います。

弊社コンカーでは、働きがいに関して様々な取り組みをおこなっています。本日話せなかった取り組みは、私の著書に書いてあります。『最高の働きがいの創り方』という本を出していますので、ぜひご一読ください。Twitterでも働きがい関係の内容を発信していますので、ご興味があればフォローをください。

大堀:ありがとうございます。お二人ともTwitterをやられていて、参考になる情報がたくさんあるので、皆さんもぜひフォローしてみてください。では、お時間となりましたので、キーノートセッションをこれにて終了させていただきます。本当にありがとうございました。