PR TALK by talentbook

PR実践企業の声や事例から、
アクションの”きっかけ”を生むメディア

talentbook

PR TALKのシェアはこちらから

  • Twitter
  • Facebook
  • LinkedIn
  • LINE

talentbookへのお問合せはこちら

お問い合わせ

PR TALKの更新情報はTwitterでお知らせいたします
フォローはこちら

  • Twitter
  • Facebook
  • LinkedIn
  • LINE
  • COPY

【Session編】〜3年間で社員数が50人から約9倍に〜 SmartHRが今でもオープンカルチャーを大切にする理由 ー re:Culture #17

re:Culture #17では株式会社SmartHR執行役員で人事責任者の薮田氏より、SmartHRの組織変革とカルチャーについてお話を伺いました。 こちらはレポ―ト第2弾のセッション編となります。

INDEX

※本記事は【Case Study編】〜3年間で社員数が50人から約9倍に〜 SmartHRが今でもオープンカルチャーを大切にする理由 ー re:Culture #17の続編です。

株式会社SmartHR 執行役員 VP of Human Resource(人事責任者)
薮田 孝仁
2006年より株式会社ECナビ(株式会社VOYAGE GROUP)にてWebディレクターとして従事。2008年に株式会社ライブドアに入社し、2011年より人事を担当。
2013年LINE株式会社に商号変更を経て、2013年4月より採用、育成、組織活性化を担当する人材支援室の立上げに従事。
2018年12月、SmartHRに入社し、2019年1月より現職。採用、人材育成、評価制度、組織改善の分野を担当。

モデレーター:PR Table 志村 陸

そもそも強い共感を生むためには?

志村:ここから、セッションテーマに移らせていただきます。
SmartHRさんの場合は、ミッションというところに共感する社員が多いということだったと思います。あのスコアが、SmartHRの場合は10の項目が20%以上あるところがいくつかあったと思うんですけれど。
そもそも共感が弱い部分、いわゆる会社のエンゲージメント、求心力が低くなっている会社は、10という評価そのものが減ってきて、4や5というような低めの評価の割合が多くなってしまう会社がけっこう多いのではないかと思います。
項目はどこにせよ、そもそも、強い共感を生むために、SmartHRが工夫されている点があれば教えてください。

薮田:共感をうむための施策を進める前に、現状把握からはじめました。私が入社したときにはじめにやったことが、さっきのHR4Pを確認するということと、全社員と1on1をしたんですよ。「変わってほしくないことは?」「自分が一番好きなことは?」と全員に聞きました。

営業の皆さんは「自分の売っているプロダクトに魅力を持っています」とか、開発の皆さんは「自分のつくったものが世の中のためになっている実感が嬉しい」とか、そういった声がたくさんありました。生の声を聞いて、強みを把握して、それを生かす、伸ばすという施策を考えていくことが、一つ大事なことだと思っていますね。

新卒採用をしない理由

志村:強い共感を生むために全社員の声を聞いたということでしたが、その共感がカルチャーに繋がってくる部分が大きくあるのかなと思っています。そのカルチャーというところで質問を頂いています。

「自社の文化の浸透という観点で、新卒採用を重要視すべきではないでしょうか」ということです。
一方で、御社は、共感を生んで、文化を浸透させていく中でも、中途採用100%ということなんですけれども。新卒採用をしない理由は、御社の中ではどういうふうに位置づけられていますか?

薮田:今後、もしかしたらやるかもしれないんですけれども、今のところは検討していません。なぜかというと、スタートアップなので即戦力じゃないと事業スピードになかなか追いついていきません。そのため、即戦力は重視し続けている状況です。

新卒採用をする上で大事だと思っているのは、教育環境があるかどうかです。非常に大事だと思っています。弊社は今、そこに余裕があるかというとありません。せっかく入社していただけるなら、その方がちゃんと成長して生き生きと働ける環境を提供したいです。まずは、育成できる環境の余裕を持つということが大事だと思っています。

志村:なるほど。将来的に見据えてはいるけれども、今は、まだ予定はないということでしょうか?

薮田:そうですね。やるかどうかも今後検討します。結果、やらないという判断ももちろんあります。でも、先ほど質問を頂いた方の「カルチャーを浸透させたいから新卒採用をする」など、明確な理由があることが大事だと思います。
なぜ新卒採用をするのか、そこの理由の認識合わせをしないとうまくいかないと思います。まずはそういった議論からスタートする必要があると思います。

志村:なるほど。今のお話だと、御社の場合は、中途採用100%でも、カルチャーの浸透というところである意味、現状は課題を感じていないので、カルチャー浸透のために新卒採用するということは、現状はないということですね。

薮田:そうですね。カルチャー浸透のために新卒採用をしたいという話は社内であまり聞いたことがないですし、私もそうは思っていないです。

マネジメント人材の教育方法

志村:今「育成環境が整えば」というお話が出てきました。そういった意味では、ここに挙げている三つ目のテーマで「人数が急増する中でマネジメント人材の教育はどう進めたのか」というところを伺いたいと思います。
実際に9倍になって、今では10倍になっていると思います。マネジメント人材は、カルチャーマッチの高い人を慎重に任命していくというお話がありました。どんどん増えていく中で、マネジメント人材の教育は、どういうふうに進められたのでしょうか。

薮田:これは、答えはありません。私たちも、今ちょうど取り組まなくてはと課題を感じているところです。一緒に考えたいというのが、正直なところです(笑)。

ビジネスにおける人の成長は、7割が経験、2割が上司や周囲の人の助言、1割が研修という考えがあると聞きます。その2割と1割のところをどうするかということは大事なので、これから検討しなくちゃいけないと思っています。
一方で、7割の部分。先ほどチーフの話をしましたが「まずはやってみてもらう」が一番良いかなと思っています。引き続き、マネジメントにチャレンジしやすい環境はつくっていきたいですね。その中で、一番大切だと思っていることは「チーフという役割の人が、どこまでのマネジメントをするのか」をメンバーと認識合わせをすることです。例えば「キャリアの相談をしてくれると思ったけど、ぜんぜん聞いてくれないじゃん」とならないように、マネージャーに期待していることを明確にすることが大事です。

薮田:この表では「チーフはここまでのことをやります」「マネージャーはここまでのことをやります」というふうに区切っています。そこをより浸透させていくということは大切だと思います。

志村:そういう意味では、ある意味、教育の仕方も現状はOJT、チーフという職種につけるOJTで基本的にまかなっているということですね。

薮田:そうですね。

1on1実施の目的

薮田:あと一つ、弊社は1on1を非常に重要視していて、隔週での実施をマストにしています。例えば、チーフの皆さんはマネージャーとの1on1を隔週でやっていますし、場合によっては毎週やっている人もいると思います。
1on1の場を活用して、いろいろなアドバイスやコーチングなどを駆使して、メンバーの成長の一つになっているんじゃないかなと思います。先ほどの「7割が経験、2割が上司や周囲の人の助言、1割が研修」の2割の部分ですね。

志村:なるほど。そういう意味では、1on1の中身について、一定のルール「このことについては必ず話してください」というものはあるんですか?

薮田:そこは置いていなくて、何を話すかは、全部自由です。ガイドとして出していることは、まず1on1の目的は「期末評価のときにギャップを生まないため」としています。メンバーが「自分はこれだけできたと思ったのに、評価はぜんぜん違った」という事態をなくしましょうと。そのために、期待値をすり合わせる場としての目的があります。

もう一つは「会話する場をつくってください」ということです。要は「話すことないけど……」みたいなことがあっても、30分の1on1の場があることで「そういえば」と話すきっかけができると思います。「時間をつくることを大切にしてください」ということを、一つガイドとして出していますね。

志村:チーフとメンバーの期待する役割みたいなところがすり合わせられていれば、必然的に、その1on1の中身もなんとなく決まってくるということですね。

薮田:そうですね。

志村:メンバーの方がチーフに聞きたいことも、チーフがメンバーに聞きたいことも、自然と定まってくるのではないかと思います。

薮田:そうですね。

志村:ちなみに、薮田さんのほうから、チーフ講習でアドバイスされていることを一部教えていただけないでしょうか?

薮田:はい。最近、コーチングが流行っていますが、使いどころがすごく大切だなと思っています。コーチングを使ってはいけないときや、使わないほうが良いかもしれない状態について話すことがあります。あとは、ティーチングとコーチングの違い。そういった基礎の部分を話したりしています。

月1・年1サーベイの数字の変化

志村:次の質問に移らせていただきます。「サーベイの話がありましたが、社員のサーベイの数字に変化はありますか?また、コロナ禍で、当社はエンゲージメントの低下を感じているのですが、コロナ禍でエンゲージメント対策でされている工夫があれば教えてください」ということです。
まずは「数字に変化があったのか」というところからお願いします。

薮田:承知しました。まず、サーベイの話を詳細にお伝えします。今、表示されているHR4Pのサーベイは年に1回です。その他に、組織サーベイというものを毎月とっています。例えば「会社の文化は自分にマッチしているか」「自分のメイン評価者は信頼できるか」というような質問を16問設置しています。その推移を見ています。

毎月のデフォルトの質問以外に、月の質問があります。例えば、評価フィードバックのあとのタイミングで「評価に満足していますか」「報酬に満足していますか」ということを聞くようにしています。その中の一つとして、このHR4Pのサーベイがあります。
月次の推移で言うと、もちろん、変化はあります。このHR4Pの変化で言うと、今のところはそんなに変化はありません。2018年から過去3回とっていますが、そんなに変化はしていないです。ただ、職種別や等級別で、区切り方を変えると変化はあったりします。
今月にまた最新のサーベイを実施するので、1年前から200名ほど増えてどうなっているのか正しく見たいと思いますし、楽しみにしています。

志村:それこそ、この10の割合が増えたら嬉しいということですよね。

薮田:そうですね。聞き方を同じでやるかどうかは、もう一回、考え直すかもしれないですね。

コロナ禍で工夫した施策は?

志村:もう一度、改めてお伺いしたいなと思うのですが。質問者の方の会社では、コロナ禍もあって、エンゲージメントが落ちている実感があるという中で、毎月のサーベイはエンゲージメントサーベイに近いものだと思います。そこをSmartHRでは、底上げするための施策や工夫をされていることはありますか?

薮田:「コロナ禍だから」というのは、実はそんなにないですね。コロナ禍にやっている施策の話をしたほうがいいのかな。コロナ以前からSlack、チャット文化なので、影響を受けていないところも多数あると思います。

志村:例えば「フリーアルコール」や「歓迎会の費用負担」は、コロナ期間、自粛期間中も続けられていたんですか?

薮田:オンライン歓迎会の費用負担をしたり、全社キックオフや全社集会をオンラインでやったりしています。最近、社内ラジオをはじめましたね。リモートワークだとどんな人が入社しているか、分からないじゃないですか。だから、社員の方をゲストに呼んでいろいろな話を聞く、という施策も実施しています。

志村:私がお客さまのお話で聞いていたのは「こういう施策をやっていたけど、コロナで一旦やめちゃった」ということがありました。ある種、何かしら形を変えて継続したということが一つの工夫なのかなと思いました。

薮田:そうですね。あと、入社初期って「ちょっと聞いていいですか?」と聞けることで、理解が早まることもあります。出社しづらい状況化でも、新入社員と、OJT関係者の出社は緩和したりしていました。

マネージャーに自ら課題解決してもらうしかけ

志村:全体が健全な状態になるように、定点観測で人事から声かけをしていくというお話がありました。もう少しだけレイヤーを上げて、部署ごとで「このエンジニアのチームは、ここ最近ずっと調子が悪いな」ということがあったときに、どういう対策や工夫をされているでしょうか。

薮田:それはよく聞かれるんですけれども。やっていることは「個別に細かい対応をする」ということなんですよね。弊社の規模であれば、個別の事情が出てくるので、そこが何なのかを、人事とマネージャーとで話して、マネージャーに解決してもらえるように、我々は情報を出すということを提案しています。それが一番大切ですかね。

実際、人事ができることってたくさんあるかというと、実は少ないと思っています。私は、マネージャーの支援が人事の大切な役割だと思っているので、彼ら、彼女らがちゃんとした判断をできるようにすることが、地道ながらに一番大切なことだと思います。
例えば、一人のAさんがすごく困っていて、それが周りに伝播しているということももちろんあると思います。それを見つけて対応してもらうとか、そういったことの積み重ねかなという気がしますね。
でも、欲しがっている答えはそうじゃないですよね(笑)。

志村:そうですね(笑)。でも、難しいのは分かります。やっぱり、毎月サーベイをやって、人事がそれを見て、現場にフィードバックを返すという、ここが何より、一番の活動だと思います。

薮田:めっちゃ大変ですよ。

志村:そうですよね。

ちなみに、これも質問にあるんですけど「マネージャーは、何人くらいのメンバーを管理しているんですか?」ということです。何人に1人、チーフマネージャーがいらっしゃるんですか?

薮田:7、8名は超えないように気をつけているというだけですね。ここは前提としてあります。1人だけ見ているチーフもいれば、7名を超えそうだというケースもあります。

志村:チーフが見ているのは、2、3名という感じなのでしょうか?

薮田:1~7名の間ですかね。

志村:チーフでも7名くらいの規模なんですね。マネジメント人数も、7、8割はチーフというイメージですかね。

薮田:そうですね。7割くらいですかね。

志村:ありがとうございます。

オープン度合の評価の仕方

志村:続いて、ちょっと質問の毛色が変わってきます。これは、私も伺いたかったんですけれど。評価の項目に「オープン」が入っているというお話がありました。具体的にどういう部分を強化しているのでしょうか?
オープン度合を評価することは難しいなと思います。ご質問者さんの会社でも「オープンさというものは大切にしているものの評価基準には盛り込んでおりません。基準等について伺えますとありがたいです」ということです。

薮田:分かりました。まず、評価の全体像をご説明すると、大きく三つの軸で評価しています。一つ目が、自分の期初のミッションに対して、目標を達成できているかという成果ですね。二つ目が、七つの価値観にマッチしているか。その一つ一つで点数をつけています。三つ目が、オープンであるとか、チームワークであるとか、五つくらいの「基礎スキル」という項目があるんですけれども、そこがマッチしているか。その三つでやっています。

その三つの中の「基礎スキル」の中にオープンというものがあります。それをどういう指標で見ているかというと、評価シートの中に「これはOK、これはNG」というのが書かれています。

志村:すごいですね。明文化するのが一番難しい作業な気がしますけれど。

薮田:それをやっています。定期的にアップデートもしています。めっちゃ細かいところまで書いているんですけど「必要ないのにDMをする。これはNG」とか、オープンなところで言うと「自分の業務を属人化しない」とか。そういったところをちゃんとテキスト化して書いています。

志村:ありがとうございます。

1on1で実際に話していることは?

志村:1on1のお話に戻ります。「1on1の目的で評価ギャップを生まないためにやられているんですね。そうすると、仕事や個人のタスクなど、仕事の話をされているんですか?1on1が、仕事のタスク進捗の確認ばかりにならないような工夫があれば教えていただけると幸いです」ということです。

薮田:それは正直、分からないところですね。弊社、オープンな会社なんですけれど、1on1は唯一クローズドなんですよ。1on1を受けるメンバーが本音でしゃべれるようにするためです。

実際に何を話しているかの詳細を理解しているわけではありません。だから、人によって評価の話をする人もいれば、日々の相談をしている人もいれば、雑談をしている人ももちろんいると思います。そこは、お任せしているという感じですかね。

志村:なるほど。私もよくあるんですけど。うちの場合は、月末にお疲れさま会というのがあるんですよ。その中で、全員で同時にしゃべるのはなかなかできないので、5人とかでグループ分けして話したりするんですけど。例えば、業務が遠いチームだと割と雑談になるんですけど、業務が近いと、結局ミーティングみたいになっちゃうことがよくあると思っています。

薮田:そうですよね。あると思います。

志村:自分が、チーフとメンバーとか、マネージャーとチーフとか、そういう関係性だと、業務進捗みたいな話によりがちだなと、たしかに実感があります。

薮田:そうですね。ただ、業務の話をすることが悪いわけではないと思うんですよね。それを求めている人も、もちろんいると思います。これもチーフのガイドでやっているんですけれど、1on1の目的を最初に確認しましょうと。そこは大事にしています。何をしゃべりましょうというのは、メンバーと認識合わせをすることがすごく大切です。それをしているかしていないかで、1on1の満足度は変わるかなと思います。

志村:そうですね。ありがとうございます。

オープンカルチャーによる弊害は?

志村️:続いてセッションテーマに近いご質問を頂いています。「組織拡大に伴って、部署間のコンフリクトなどは起きましたか?それに対してどのように対応しましたか?」というところです。
私が置いたテーマ「オープンカルチャーで弊害はあった?」と近い気がしました。まず、質問を頂いている「組織拡大に伴って部署間のコンフリクトが起きたのか」をお願いします。

薮田:これはよく、300人の壁とか、何百人の壁とかありますけど。おそらく今、出はじめているという感じなので。我々も課題になりはじめているかなというところです。

薮田:ただ、オープンカルチャーだから弊害というわけではないかもしれないです。

志村:むしろ、オープンなほうが、部署間の壁みたいなものは、たぶん、薄くなっていくとは思います。クローズドよりは、そこはオープンのほうが良いんだろうなとは。

薮田:そうですね。それはおっしゃるとおりだと思います。

志村:一方で、オープンであることで逆に弊害があったということは、今までにありましたか?

薮田:弊害ではないんですけど。今日の視聴者の皆さんは人事の方が多いと思うんですけど、人事施策の難易度はめちゃくちゃ上がりますね。要は、なんでこの制度にしたかというプロセスもちゃんとオープンにしないと納得感が出ないんですよね。オープンが当たり前なので。
人事の施策はクローズドにやったほうがやりやすいこともあると思うんですけど、それはしづらいですし。結果的に制度の考え方とか、なんでこういう制度なのかということをオープンにしていくほうが浸透しやすいということもあります。結果的には検討過程をオープンにする方が弊害にならないということもあるかもしれないですね。

一方で「オープンだったけど、クローズにした」ということも、もちろんあります。例えば、個人の評価なんですけれども。昔は、評価結果もオープンにしていたんですよ。
ただ、S・A・B・Cとかある評価だけを見ても、その方がなぜAになったかというのは、何十人を越えてくると分からなくなるじゃないですか。そうすると認識の齟齬が生まれちゃうので、それは評価者と評価される人の2人の話なので公開するのはやめようと。必要なくなったらクローズにしていくということは弊社もやっています。

志村:なるほど。ありがとうございます。今のお話は、ある意味、御社の言葉で言うフラットというところが、表現として正しいのかなと思いました。フラットのためにクローズドにしたというところですかね。
お話を伺っている中で感じたのは、フラットという言葉の使い方が、今、人事界隈で言うような「心理的安全性の担保」というところとすごく近い印象を受けました。そういう認識で合っていますか?

薮田:そうですね。なんとなく合っている気がします(笑)。

志村:ありがとうございます。うちも、まさに、今、バリューをいろいろ考え直したりしているんですけれど。その中でも、心理的安全性をちゃんと担保するような行動は、皆、心がけないといけないよねという話が出てきています。SmartHRでいうところのフラットについては、すごく参考にさせていただきたいなと思いました。

薮田:オープンだから心理的安全性があるというのはあるかもしれないですね。オープンカルチャーの弊害を一つ思い出しました。これは本当によく言われるんですけど。オープンすぎるので情報が多すぎるんですよね。だから「探しにいくのが大変」というのは、めちゃくちゃ聞きますね。入社したてだと欲しい情報どこにあるかわからないことがありますが、Slackのチャンネルもたくさんあるので、どのチャンネルで誰にどのメンションをつけて聞けばいいかと分からなかったりするみたいです。オープンゆえに情報が多すぎるというのは、弊害としてあるかもしれないですね。

志村:そうですね。Slackは、情報がどんどん流れていっちゃいますもんね。

薮田:そうですね。情報の置き方、溜め方はめちゃくちゃ難しいですね。

カルチャーフィット採用のための工夫

志村:続いて、採用の部分についての質問がいくつかきております。まず一つ目です。「採用においても、カルチャーフィットを重視されているということですが、カルチャーフィット採用のためにやっていることや工夫はありますか?」というご質問です。

薮田:カルチャーとバリューについて考える方はよくいらっしゃると思うのですけど。前提として、ミッションに共感した状態での応募が多いと思っています。そこは、自動的にと言うとあれですけど、達成している状態かもしれません。

次に、応募者の方がバリュー、価値観マッチをしているかどうか、という点があると思います。面接をして、カルチャーに合いそうか、場合によってはビアテストをしたりなどチームにマッチしそうかどうかは、重要視しているかなとは思っています。
現場で、全部面接をしているので、チームマッチなどの判断がぶれないというところはありますね。

志村:なるほど。ミッションには共感してきてくれている方が多いとは思うんですけど。それは、ある種、御社が自社のミッションというのを候補者の方々に伝わるように情報発信をしているということですよね。

薮田:そうですね。情報発信を社員が積極的にしている点も大きいかもしれないです。「ああいう会社なんだ」というのが浸透して「そういった会社で働きたいと思っていました」というところでマッチしている方が応募してくださる状態が、もしかしたら生まれているかもしれないですね。
ただ、正直、選考で判断するのはめちゃくちゃ難しいので……。困ったときは、悩ましいなと思いますね。あとは、バックチェックを使ったりしています。

志村:ありがとうございます。ここでは、カルチャーフィットという言い方をされていますけれど。私は、前職でCMをつくる仕事をしていたので、割りと敏感にCMを見てしまうんですけど。御社のCMは、すごく面白いじゃないですか。

薮田:ありがとうございます。

志村:楽しい感じのCMをいつもやられていて、素敵だなと思っています。あのCMが、御社のカルチャーみたいなところと割りと近いというか。例えば、めちゃくちゃ楽しい感じのカルチャーの会社が、CMをすごくシリアスにやっちゃっている感じだと、CMから醸成されるイメージはけっこう大きいですよね。
そこは、CMも含めて、自社のカルチャーや雰囲気が反映された情報の出し方をしているというのが、そもそも採用候補者の方がある程度、近しい匂いを持った人たちがきてくれるみたいなところかなと思いました。やっぱり、採用のためのコミュニケーション以外のところでも、すごく出ているんじゃないかなと、個人的には感じていました。

薮田:なるほど。そうですね。CMがどういう影響を与えているかというのは、正直分からないなというのが印象ですね。例えばすごくCMを出している時期があったとして、そのときに応募数が増えるかというとそうでもないんですよね。だから、母集団に繋がっているかというと、正直謎なところはあります。ただ、そうだった会社にもいたことがあるので影響することもあるんだろうなと思います。

弊社の場合、どちらかというと、内定承諾であるとか、そういったアトラクトに効いているんじゃないかなという気はしますね。やっぱり転職時はご家族の方と相談されると思うんですけれども。toB向けのサービスなので、ご家族がサービスを知らない方もいらっしゃいますよね。
そこで木梨憲武さんのCMと言うと「ああ、あのCM!」みたいなことになると思うので、そういったところで一定の効果は、もしかしたらあるんじゃないかなと思っております。

中途採用の承諾率とそれを上げるための施策

志村:次のご質問がまさにそこに関するご質問です。「答えられる範囲で大丈夫なのですが、中途採用において、承諾率はだいたいどれくらいでしょうか。また、承諾率を上げるための施策は、どういったことを行っていますか」ということです。

薮田:内定を出した人の承諾率は8割を越えていますね。

志村:めちゃくちゃ高いですね。

薮田:ありがたいことに高い状態です。

志村:すごい。

薮田:とても丁寧にやっていることは、オファー面談を100%やっています。オファー面談で何をしているかというと、会社説明資料とかに載っている制度の説明をより詳細に話したり、現場の責任者がきてやっていく業務の認識の差を埋めたり、「きてほしいよ」と言ったり。そういったことをすごく時間をかけて丁寧にやっている点は、大きいかもしれないなと思います。

さっきのカルチャーマッチの判断においても大切なことだと思っているんですが、質問をなるべく受けるようにしています。面接のときは質問しにくかったけど、内定が決まった状態だから聞ける質問もあると思います。だからこそオファー面談で「実際、どういった業務をするのか?」など齟齬を埋めて、期待値を揃えるようにしています。私が自分のチームのオファーをするときにも、そういったことはしますね。「どういったことをすると思いますか?」というのを聞いて、違っていたら「違う」と言います。そこで嘘をついても仕方がないので。

弊社の好きなところなんですけれども、「嘘をつかない」ことを大事にしています。自分よりもよく見せようとしないこと。自然体のまま見せることが大事だと思います。そこで共感してくれるかどうかというのが、カルチャーマッチにおいて大事だと思います。
だから、無理に口説きすぎないようにもしますし「こういった環境です」「こういったことに困っています」という話をオープンにして、共感してもらって、マッチするならジョインしてもらうという形をとっています。

志村:なるほど。採用や面接、そういったオファーの場でも、オープンということをしっかりとやり抜くということですね。ありがとうございます。

メインカルチャーとサブカルチャーのバランス

志村:続いて、サブカルチャーの部分についてご質問いただいています。「部署ごとにサブカルチャーが生まれ、それが強くなりすぎると全社としての一体感が薄まるのではないかという懸念があります。全社カルチャー(メインカルチャー)とサブカルチャーのバランスをどのようにとっているのかを知りたいです」ということです。
たしかにこれはありますよね。特にエンジニアチームとか、サブカルチャーがすごく強くなりやすそうなイメージがありますけれども。いかがでしょうか?

薮田:そうですね。明らかにずれたものになってくると気にはなるんですけれども。弊社では、毎月、全社の文化とグループのカルチャーについて聞いています。そこで、グループのカルチャーが合うというのが一番良いと思うので、そこさえ合っていえばいいかなというふうに思います。

最近取ったサーベイで面白い結果が出ました。「自分の今の会社を友人に紹介したいか」という設問に対し「したい」という回答した人は、「グループの文化にマッチしている」とも感じていて、相関関係があることがわかりました。

さっきの採用の話じゃないですけど、リファラル採用を大事にするのは、グループの文化をより良い状態にするという点でも大切なんじゃないかなというのが、ちょっと見えてきました。そういった意味でもサーベイはいろんなところに使えるなと思っているので、相関関係を見るというのはとても良いと思います。

志村:そうすると、サブカルチャーとメインカルチャーと分けたときに、ここが相反するものでなければOKみたいな感じで、ゆったり構えているということですね。

薮田:そうですね。そこはそう思います。

志村:そうですね。弊社はまだ数年の会社なんですけど、それでも、部署ごとのカルチャーの違いみたいなものは、もうすでに存在しているなと思います。

カルチャーに合わないマネージャーがいた場合の対処法

志村:これは最初のほうに頂いた質問なのですが「自社のカルチャーに合わないなというマネージャーがいた場合の対処方法はありますか?」ということです。
御社の場合、そもそも、マネージャーロールに移管するときは、けっこう慎重にというお話がありました。それでも、途中から「おや?おかしいぞ?」ということもあると思います。そういう場合の対処方法はどのようにしていますか?

薮田:それは、マネージャーを辞めてもらうのが一番良いと思います。今、弊社でそういうことが起こっているわけではないんですけど。
ただ、チーフが変わるということはあると思います。カルチャーマッチというよりは、マネジメントを自分がやりたいと思う・思わないとか、マネジメントが得意・不得意とか、そういう観点で入れ替わるケースはあります。

基本的には、マネージャーが変わることが一番大切かなと思っています。関連した施策として、年末からVP、マネージャーを対象に、将来的にプレイヤーに戻ってもらった方がよいかどうか?というのを、CxOで議論をする場を設けます。もし対象者がいた場合は、本人に伝えて改善を促すということをやっていこうと考えています。それでも改善しなかったら1年後とかそういったタイミングを設けて役割を変えていくなど。マネジメントが適正かどうかをチェックしておける仕組みを作っておくことが重要かなと思います。

なぜ、そういうことをしているかというと。弊社の今の規模だと、カルチャーマッチしていないとなっても代えがいなかったりするんですよね。マネージャーよりプレイヤーで活躍する方ももちろんいらっしゃるので。そういったチームの状態や個人のキャリアを考えるには、ある程度の時間が必要です。
いきなり「はい、駄目」ではなくて、事前に認識を合わせて、マネージャーを変えるときの対処を、個人と組織の両面で考えるための時間を置くというイメージです。

志村:なるほど。ありがとうございます。マネージャーが、今、要注意だというのは、毎月のサーベイの中で、現場メンバーやチーフからの評価を見たりして感じていくんですか?

薮田:そうですね。大事なポイントですが、サーベイ結果を評価には使っていないですね。回答時に、評価を気にするようになってしまいますし。

志村:素直につけられないですもんね。

薮田:そうですね。サーベイは組織の状態を把握し改善するためのもので、マネージャーを評価する際の1つの参考として使っているという感じですね。
あとは、例えば、チーフ・マネージャー・VPがいたとして、VPがチーフと月に1回の1on1をしたりもしています。そういった対策で「マネジメントをうまくやれているか」とか「カルチャーマッチしているか」みたいなところを見るのが重要かなと思っています。

志村:ありがとうございます。そこは、あくまで、そのマネージャーの管轄のチームとしてのパフォーマンスみたいなところと、先ほどのカルチャーマッチみたいな部分の両軸で、このマネージャーが続けるべきか否かみたいなところを判断しているということですね。

薮田:そうですね。評価であったり、周囲からの声であったり、そういったところからの判断だと思っています。とか言って、来年、私がいなかったらすみません(笑)。はははじゃないですね(笑)。

志村:そんなことはないと、社外の私からはそう思います(笑)。

薮田:いえいえ。でも、誰もがその緊張感は持っていたほうが良いと思うので、頑張ります!

志村:そうですね。外資だとクビや降格もしやすい雰囲気があると思うんですけど、日本はそれをしにくい文化が日本全体であると思っています。

薮田:あると思います。

志村:自分事として考えたときに「マネージャー、君は駄目だった」と声をかけられるのは、けっこうつらいものがありますよね。

薮田:あると思いますね。なるべく、本人も納得した上でというのは重要です。それは、事前にというのが必要かなと思います。

志村:そうですね。ありがとうございます。

SmartHRにとってカルチャーとは?

志村:最後の質問にさせていただきます。「改めて、SmartHRさんにとってカルチャーとは?薮田さんにとってカルチャーとは?」という大きな質問を頂いています。

薮田:そうですね。自律駆動するためにオープンでフラットという話をしましたが、私が思うのは、カルチャーは、事業を成功させるためのグラウンドみたいな感じだと思うんですよね。目標を達成させなくちゃいけないですけれども。その事業を達成させるための行動が価値観どおりに動くということなんですよね。その価値観で動きやすい環境というのがカルチャーな気がしています。
そのために、我々はオープンでフラットということを言っています。そのミッションを達成する。そのための価値観を体現できるようにする。そのためのグラウンド。そういうふうに考えています。

志村:とても分かりやすかったです。本日はありがとうございました。