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#13 PRパーソンはどんなキャリアを目指せばいい?-日比谷さんとPRの話をしよう(前編)

INDEX

日比谷さんと、もっとPRの話をしよう

聴く「PR TALK」はPR TableのPR/Evangelist クボケイタと、取締役/Founderの大堀航がテーブルを囲み、様々な業界で活躍するゲストをお招きして「もっとPRの話をしよう」という趣旨の番組です。

今回は、PR Table創業メンバーであり、at WIll Workをはじめ様々な取組みでご一緒してきたkipples代表の日比谷尚武さんをゲストにお呼びして、はじめてTwitterスペースで公開収録を実施。

広報・PRパーソンの方にも、非広報の方にも届けたい内容でしたので、対談記事として前編・後編にまとめてみました。ぜひ音声と文字あわせてお楽しみくださいませ!

▼音声で聴く方はこちら

放送ハイライト

  1. 日比谷さんってどんなひと?(02:00~)
    ・Sansanの広報立ち上げを経て5年前に独立
    ・実はPR Tableの創業メンバーなんです
    ・at Will Work5年間お疲れさまでした
  2. 広報は皆、何に悩んでいるのか(11:35〜)
    ・実務経験があるからこそ伝えられること
    ・BtoB IT広報勉強会を立ち上げた理由
    ・広報に秘伝のタレはあるのか
  3. PRパーソンのキャリアの選択肢(24:26〜)
    ・日比谷さんが独立しようと思ったきっかけ
    ・会社経営もPR経験の一部
    ・PRはCXOキャリアを目指せる?

聞き手:PR Table 取締役/Founder 大堀航、PR/Evangelist 久保圭太
ゲスト:kipples代表 日比谷尚武さん

広報の悩みはないものねだり。皆自分の力を試したがっている

PR Table 久保圭太(以下、久保):先日「ひとり広報」をテーマにしたMarkezineの対談記事を読ませてもらいました。広報の立ち上げの相談などはやはりよく来るテーマなんですか?

日比谷尚武さん(以下、日比谷):広報の方だけでなく経営者の方からの相談を受けることも最近増えましたね。それこそリリースの書き方、企画の作り方、謝罪会見の仕方などパーツのノウハウはあらゆるところに転がってる。けど広報部門立ち上げましょうとなったとき優先度決めて現実的にまずどうすればいいんだっけ?というアドバイスを程よく実務経験も交えて話ができる人があまりいなかったというのはあるかもしれないです。

PR Table 大堀航(以下、航):広報部門立ち上げたら、まず日比谷さんに相談したほうがいいよって僕もいつも言ってます(笑)

久保:「BtoB/IT広報勉強会」というコミュニティも2013年から運営されていますよね。

日比谷:僕自身がSansanで広報やってたときに、サイボウズさんやオラクルさんなど当時のBtoB/ITで先進的に取り組む先輩たちに色々と教えてもらう機会がありました。せっかくならみんなで共有しようということで立ち上げたのがきっかけ。それが意外とみんなの役にも立ってくれたようで、今も続いてるという感じですね。

久保:参加者の層や求めてるニーズなどは変化してきましたか?

日比谷:最近は広報立ち上げたばかりの初心者の方も興味を持って入ってきてくれたり、経験者でもより戦略を学びたいっていう声が増えてきている印象です。実務に関する知見は増えてきても、戦略や経営との連携などの生の声はまだまだ巷に転がってなかったりするのでニーズがあるのかもしれません。

久保:広報ノウハウ記事のまとめnoteなども先日公開されてましたけど、こういう記事で学びながらも、生の声を聞いて学んでいくのが良いですよね。

日比谷:最近、複業や独立している広報PRパーソン70-80人の方々にアンケートをとったんですが「なぜ複業しようとしているのか?」という問いの上位に「他の現場で腕試ししたい」というニーズがあると気づいた。それはつまり、広報の実務は会社や業界によってお作法が異なり、他で通用しないかもしれないと思っているということ。汎用的なスキルなのかみんな自信がないんです。抽象化した形で自分のスキルを見える化したり確認したいっていうニーズがあるんだろうなと感じます。

▼上記アンケート調査を元にしたイベントが【6/16(木) 19時〜】開催されます
【広報PR】複業&独立の実態について調査した結果をシェアします。

広報に“秘伝のタレ”はあるのか

航:スキルアップ目的で事業会社からPR会社に転職する方って増えていたりするんですかね?逆はよくあると思うんですが。

日比谷:転職相談でたまにありますよ。確かに事業会社にいると自分の経験がどれくらい通用するのか不安になったり、PR会社は“秘伝のタレ”でも隠し持っているんじゃないか?とさえ思ってしまうのはわかります。実は僕も、某PR会社で1-2年修行しようかと思ってた時期がありましたから(笑)

航:僕はPRに“秘伝のタレ”はないと思ってるんですよね。基本的に年間の広報戦略を立てて動いていくという意味では、どの業界もやることは変わらない。けれど描いた戦略を実行する地上戦で差がつく。つまり一瞬の企画力とか、記者の方と直接話すときの切り返しとか。それによって培われるリレーション構築能力やスキルがあれば、いかようにもPRの人のキャリアは広がる気がしますけどね。

日比谷:確かにお互いのないものねだりでもあるかもしれないですよね。逆にPR会社から事業会社に転職した方のお悩みを聴くと、社内での調整や、経営陣の理解、独特の社内ルールやカルチャーがあって理想通りいかないという話で右往左往するいうのはよく聞きます。

ただ僕がこの数年、クライアントワークとして外から支援していて思うのは、テキストやPRプランナー試験だけだとわからず、現場で場数を踏まないと掴みにくい感覚というのは正直あるということ。それをいかに短縮してキャッチアップできるかは重要だと思いますね。

関わるプロジェクトすべてにコミットするため独立

久保:日比谷さんが5年前に独立されたきっかけはなんだったんですか?

日比谷:元々Sansanは副業禁止だったんですが、NPOのお手伝いしたり、それこそPR Tableの創業に関わってみたりと、報酬を得ない形でパラレル活動は実質続けていました。関わるプロジェクトはすべて本気でやっているしコミットしているのに、外から見たら腰掛けのように思われるのも嫌になり、堂々とやるために独立することを決断しました。

久保:これからのキャリアに悩まれているPRパーソンも多いと思うんですが、日比谷さんは最初からそういうキャリアをイメージされていたんですか?

日比谷:ひとりでも食べていけるようになりたいとは昔から思っていましたが、起業するぞ、とか会社つくって大きくするぞ、という思いはなかったのでキャリアは結果論ですね。

ただ学生時代から複数プロジェクト掛け持ちでいろんな名刺もって活動することはやっていました。なのでそのフィールドが広がってきた感覚で、スタンスはあまり変わっていないのかもしれません。

久保:PRパーソンは皆、日比谷さんみたいな働き方に憧れてると思いますよ。

日比谷:でも広報はそういう動き方をしやすい職種ですよね。会社の機能としてある程度外部にも切り出しやすいし、コンサルとしても成り立つフィールドですから。

PRパーソンのキャリアの選択肢を考える

久保:エージェンシーから事業会社の広報に転職するキャリアは多いけど、そこから独立してPRのプロダクトまで作るっていう航さんみたいな人はなかなかいないですよね(笑)

航:僕も最初から起業を志していたわけではなく、PRとしてのキャリアを積みたいと思ってエージェンシーに入社し、その後に事業会社に行ったんです。ただレアジョブで広報として上場を経験したら、自分も会社つくって上場したいって思っちゃったんですよね。

あと「ものづくり」に対しての憧れも強かった。つくった製品をチームみんなで売って、たくさんの人に使ってもらう。それをやるなら起業しかなかったんですよね。

▶︎PR Table大堀航による創業ストーリー

よく「PRパーソンは経営者であれ」みたいな話って聞くと思いますけど、いざ起業してみて思うのは「PRパーソンとしての経験を今でも積んでるな」っていうことです。

久保:経営していること自体も、Public Relationsの経験の一部になってるってことですね。

日比谷:確かにPRのキャリアとして、起業してプロダクトまで作って価値を生み出そうとする人はそう多くはないですよね。

航:PR Tableの創業期はコンサルのニーズがあってもプロダクト以外ではお金をとらないって決めて、アルバイトしながらしのいでましたからね。

久保:夢を志す、下積み時代の芸人みたい(笑)

日比谷:PRの需要は最近多いですし、コンサルやってる方々は食べていこうと思えば食べていけると思う。それがゆえに新しい選択肢を広げにくいっていう側面もあるのかなって思いますね。

久保:PRパーソンのキャリアとして、最終的に事業会社の役員になっていったりするケースについてはどうお考えですか?CHROやCMOはよく聞きますが、CPROなどはまだまだ事例が少ないなと感じます。

日比谷:久保さんもご一緒してる日本パブリックリレーションズ協会では、CPPOを増やしましょうっていう話をしてますよね。これは、PRパーソンがもっと経営とかマネジメントに目を向けてそういう話をできる人になろうっていう話でもあるし、経営陣にもっとPRの観点をもってほしいという両方の歩み寄りの話だと思うんですよね。そういう意味では、もっと増えていくべきだし、増えていくと思っている。

実際に、スペースマーケットや10xなど、PR出身の方が役員になるっていうケースも増えていますよね。スタートアップは新しい概念や価値観を広げるのが大事なので、そういうトライをどんどんして、経営における大事な観点として広げていってほしいと思います。

(後編「広報のしごとの誤解をどう解いていく?」へ続く)※6月20日(月)公開予定

ゲストプロフィール

日比谷 尚武さん
kipples代表

「人と情報をつなぎ、社会を変える主役を増やす。」をテーマに、セクターを横断するコネクタ。広報、マーケティング、新規事業の支援、コミュニティ作り、官民連携促進を中心に活動。 一般社団法人at Will Work理事 ・一般社団法人Public Meets Innovation理事・Project30(渋谷をつなげる30人)エバンジェリスト・公益社団法人 日本パブリックリレーションズ協会 広報副委員長・ロックバー主宰、他 / Twitter

パーソナリティーのご紹介

大堀 航

株式会社PR Table 取締役 / Founder

大手総合PR会社のオズマピーアールを経て、国内最大のオンライン英会話サービスを運営するレアジョブに入社。PRチームを立ち上げ、2014年6月に東証マザーズ上場に貢献。2014年12月、PR Tableを創業。

ストーリー:PRにこだわる理由は、働く人が笑顔になるきっかけをつくりたいから

久保 圭太

株式会社PR Table / PR室マネージャー /Evangelist

北海道札幌出身。二児の父。 PRSJ認定PRプランナー。 ITベンチャー企業にて広告企画営業、人事戦略、PRの責任者を経て、2018年よりPR Tableに参画。 カンファレンス企画や自社オウンドメディア運営を統括し、Public Relationsの探究活動を行う。その後、PRコンサルタントとして顧客向けのオウンドコンテンツ企画・活用支援に従事。2020年よりCS組織の立ち上げを経て現職。

ストーリー:はじめて感情がグルグルした仕事がPRだった。だから僕はこの会社の一員になった