PR TALK by talentbook

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#19 モテる会社になるために。PR会社出身のメディア記者から学ぶ理想のコミュニケーション ─ ゲスト:ITmedia ビジネスオンライン・熊谷紗希さん

INDEX

聴く「PR TALK」は、PRを実践するさまざまなゲストとテーブルを囲み、膝を突き合わせて「もっとPRの話をしよう」という趣旨の番組です。

本日も“メディアとの関係構築”をテーマに、ITmedia ビジネスオンラインで記者を務める熊谷紗希さん@ennui_renge) にゲストにお越しいただきました。

学生時代からIT界隈で働きながらPR会社を経て、メディアの記者を志した熊谷さん。さまざまな立場でPRというものに携わって来られたからこそ見えてきた「PRパーソンとの理想のコミュニケーション」とは?

さらに学生時代はマッチングアプリ「Pairs」「With」でいいね数全国三位を獲得した後、デートコンサルをしていたという興味深すぎる経験から「モテる会社になるための条件」を紐解いてみました。

多彩な魅力を放つ熊谷さんとのカジュアルなPRトークを、記事と音声でぜひお楽しみください。

ゲストプロフィール

熊谷 紗希さん
ITmedia ビジネスオンライン 編集部

編集記者2年目。好きなものは餃子と麻雀と銭湯と読書。メイン担当はサステナビリティ経営。最近のたのしかった取材は「本屋のカスタマーサクセス」「葬儀ビジネスと死者ホテル」
SNS:Twitter(熊谷さん) / Twitter(ITmedia ビジネスオンライン)

▼音声で聴く方はこちら

編集者の仕事はコネクティング・ドット

PR Table久保圭太(以下、久保):ITmedia ビジネスオンラインに2021年6月に転職される前は、新卒でPR会社に入社して働かれていたんですよね。どうしてメディアへの転職を決められたのですか?

ITmedia ビジネスオンライン熊谷さん(以下、熊谷):私は元々すごい飽き性な性格でして。広報に向いてないんじゃないか、ということに気づいてしまったのが一番大きな理由です。少人数のPR代理店だったのですが、年間契約のお客様を担当する中で、情報発信やメディア・リレーションズの戦略を練ったり提案をしていくことの繰り返しに飽きてしまって。取材に同席したり、メディアの方と会う中でそっちの方が楽しそうで向いてるんじゃないかと思いはじめたんです。

久保:元々いろんなことに興味を持ったりアンテナを張ってるタイプだったんですか?

熊谷:自分自身から好きになるというよりは、友達やパートナーが好きなものを一緒に好きになったりすることが多いですね。特定のサービスやプロダクトに対する愛着やこだわりをあまり持てなくて、そう考えるとPRの仕事とは水と油だったんじゃないかというのが反省点ですね。

久保:そうした思いを持ったうえで、メディア側に転職されてみてどうでしたか?

熊谷:メディア記者の立場としては、一旦終わりが決まっている取り組みが多いですし、常に新しい情報がアップデートされるのが性に合っていると感じます。

たとえば、散歩していて新しい道にパッと出たときに、“あ、ここの道とここの道って繋がってたんだ”って思うことがあるじゃないですか。同じように編集者の仕事って、取材をしていく中で、情報の点と点が繋がることが多い気がしていて。コネクティング・ドットっていうんですかね。そういうのがすごく楽しいと感じています。

久保:企業に所属するPRパーソンの場合は自社のサービスにまずは根を張って、それを社会とどう繋げていくか、という仕事ですものね。

熊谷:振り返ると、PR会社に2年半くらいいて川上から川下まで一定の広報業務が学べたのはよかったと思います。でも広報の方と話してると本当に熱量がすごくて、私が辿り着けなかった境地なので尊敬しています。

たとえば大手の広報だと取材が舞い込んでくることも多いと思うので守りの広報も強化していると思うんですが、ベンチャーやスタートアップの広報はその会社が好きとか業界を盛り上げたいという思いがないと動けないし嫌になってしまうと思うんです。なので、PRパーソンは何が原動力となっていて、何を面白いと思っているのかはとても知りたいですね。

企業もモテスパイラルに突入するためには?

久保:PRパーソンは企業に愛着を持てるのがすごいと思う一方で、僕は自分の会社やサービスを愛しているだけではだめだと思っていて。それこそどうやったら社会から「愛されるか」という視点が大事だなと思っているんです。

その観点で聞きたかったのですが、熊谷さんは学生時代にマッチングアプリのデートコンサルをやられていましたよね。そのときの経験で何かヒントになるものを探りたいなと。

熊谷:「Pairs」と「With」というマッチングアプリで一時期いいね数が全国三位だったことがあるんです。その中で100人以上とデートをした経験を元にやっていたのがデートコンサルです。

デート前、デート中、デート後の3つのフェーズに分けて、良かった振る舞いや改善点をフィードバックレポートとしてまとめるということをしていました(笑)

久保:すごい(笑)相手との接点の中でどういうコミュニケーションをとるか、まさにマーケティングの考え方ですよね。

熊谷:大学の交友関係から少し外れた人と会ってみたいと思ってはじめたのがきっかけなので、いいね数をあげれば変な人が寄ってこずに、面白い人と出会えるんじゃないかと思ったんですよね。

▲学生時代に熊谷さんがモテ論について語った取材記事

久保:「いいね!の多い人=いい人」。一定ラインまでいいね!が増えると、あとは周りが評価してくれて何もせずに増えていく“モテスパイラル”に突入する、と当時の取材記事に書かれていますね。

熊谷:男性はみんながいいと思っている女の子が好き。いいねが多い子はなんか良さそうというバイアスがかかるんです。

久保:採用候補者や顧客、メディアなどあらゆるステークホルダーから引っ張りだこになる。企業もそんなモテスパイラルに突入できたら理想ですよね。みんなからいいね!と評価されて注目を浴びていくメガベンチャーやスタートアップなども、モテスパイラル状態に近いのかなと思いました。

ちなみに、こうした経験からPRパーソンが使えるエッセンスはありますか?(笑)

熊谷:メディア側にきてよく感じるようになったのは、提案したい媒体よりも記者単体に個別最適化した情報の方が良いということ。たとえばうちのメディアでいうと小売もあればマーケもあれば人事もあるし、コーナーもばらばらです。ITmediaに提案したい、と思ったときにとりあえず知っている記者にぶつけてみよう、だと打率が低いと思っています。

それよりは、該当するカテゴリを担当している記者やライターに直接提案いただいたほうが当然確度が高い。企業でいうと決裁者に当たりに行くみたいなことは必要だと感じますね。

久保:メディアも記者単位で1to1のコミュニケーションを意識したほうがいいということですよね。

熊谷:デートコンサルのときも、その人が何に興味持っているのか、どういうコミュニケーションを好むのか、など文章の端々から読み取っていたので、そういう能力は活きたなと感じますね。

“メディアに断られるのはしんどい”を知っているからこそ心がけていること

久保:「PRパーソンはすごい」と先ほどおっしゃってましたが、メディアの立場としてコミュニケーションする際に、心がけていることなどありますか?

熊谷:一度は企画や提案にフィードバックをしようと決めていますね。というのも、PRはとてもタフな仕事だと思っているんです。メディア側に大きく左右されるので、自分の努力だけで本来いくべき成果に達しないのが、私もとてもしんどかった経験があります。それはメディアに提案するPRパーソンは誰しも経験しているはず。

メディアに断られるのは普通にしんどいのを知っているから、私も一度はフィードバックしようと心がけています。たとえば、こういう要素があれば取材できるかもしれないとか、こういう情報やストーリーがあると良いなど具体的にお伝えするようにしていますね。

久保:個人のTwitterなども活用してPRパーソンに呼びかけたりしていましたよね。

熊谷:「こういう領域を担当しているので繋がりたいです」といった投稿をしてありがたいことにたくさん反応をいただけました。2021年6月にコロナ禍入社で、広報さんとの繋がりも全然なくて、未経験領域の担当だったので情報収集に苦戦していたのがきっかけでした。実際にそこから取材が決まった企業もありましたし、繋がった方からさらに人を紹介していただいたりと良い循環が生まれてありがたかったですね。

▲飲み会・キャラバンを呼びかけたTwitterの投稿

久保:メディアと広報の担当もある意味マッチングだと思うんですけど、紹介で繋がることもとても多いですもんね。

熊谷:最近ありがたいことに紹介も増えてきましたね。

久保:熊谷さんのフランクなスタンスが伝わっているからこそ、紹介したいと思うのかなと思いますね。

今後の注力領域は“サステナビリティ経営”

久保:この10月から担当領域が変わられたんですよね。今はどんな情報を求めていますか?

熊谷:下期からサステナビリティ経営の担当になったので、ESG投資とか、脱炭素の取り組み、SDGsをどう推進するのか、という具体的な企業の取り組み含めて、専門家の方からもお話をお伺いしていきたいと思っています。あまりこれまで扱って来なかった領域なので、どういう風に情報発信すると面白く読んでもらえるのかはまだ悩んでいます。そのあたりに知見のある方がいればお話お伺いしたいです。

それ以外にも割と取材の自由度は広がる予定なので、色々と面白い情報があればご提案いただけるとうれしいですね。

久保:ITmedia ビジネスオンラインの中だけでもテーマが幅広いですもんね。熊谷さんの現在の働き方としては、取材や執筆などどんな割合で動かれているんですか?

熊谷:これまでは特定の特集テーマを持っていたので、そこに関する取材を中心に、内部連携3割、取材・執筆7割とかだったんですが、10月からはもっと取材・執筆の割合が増えていくかなと思います。

久保:最後にひとつ聞きたかったんですが、熊谷さんって高円寺の銭湯でバイトしているんですよね?

熊谷:小杉湯という銭湯で、毎週水曜日だけ働いています。

久保:銭湯に行けばお会いできるんですね。では熊谷さんにお会いしたい方は、ぜひリリースやネタを持って小杉湯へいきましょう(笑)本日はありがとうございました!

▼高円寺 小杉湯

関連情報

■熊谷さんの執筆記事一覧ページ
https://www.itmedia.co.jp/author/233185/

■熊谷さんのTwitter
https://twitter.com/ennui_renge

■ITmedia ビジネスオンラインのTwitter
https://twitter.com/itm_business

パーソナリティーのご紹介

久保 圭太

株式会社PR Table / PR室マネージャー /Evangelist

北海道札幌出身。二児の父。 PRSJ認定PRプランナー。 ITベンチャー企業にて広告企画営業、人事戦略、PRの責任者を経て、2018年よりPR Tableに参画。 カンファレンス企画や自社オウンドメディア運営を統括し、Public Relationsの探究活動を行う。その後、PRコンサルタントとして顧客向けのオウンドコンテンツ企画・活用支援に従事。2020年よりCS組織の立ち上げを経て現職。

ストーリー:はじめて感情がグルグルした仕事がPRだった。だから僕はこの会社の一員になった