PR TALK by talentbook

PR実践企業の声や事例から、
アクションの”きっかけ”を生むメディア

talentbook/タレントブック

PR TALKのシェアはこちらから

  • Twitter
  • Facebook
  • LinkedIn
  • LINE

talentbookへのお問合せはこちら

お問い合わせ

PR TALKの更新情報はTwitterでお知らせいたします
フォローはこちら

  • Twitter
  • Facebook
  • LinkedIn
  • LINE
  • COPY

#17 誠意をもってPRパーソンと接するメディア編集長の流儀─ ゲスト:CNET Japan編集長・藤井涼さん

INDEX

CNET Japan藤井さんに聞く「PRパーソンとの理想の関係づくり」

聴く「PR TALK」は、PRを実践するさまざまなゲストとPR Tableがテーブルを囲み、膝を突き合わせて「もっとPRの話をしよう」という趣旨の番組です。

今回のテーマは「メディア・リレーションズ」

PRパーソンにとって切っても切り離せないのが、メディアや記者の方々とのリレーション構築でありパブリシティによるメディア露出です。コロナ禍でオンライン取材やSNSでのコミュニケーションも当たり前となり、社会を取り巻く状況が変化してきている中、企業はメディアとどのような関係性を構築していくべきなのか。

今回は、かねてよりお付き合いのあるITビジネスメディア「CNET Japan」編集長と宇宙ビジネスメディア「UchuBiz」の共同編集長をしている藤井 涼さんにお越しいただき、テックメディアの視点から見た業界の変化や、PRパーソンとの理想の関係づくりについて、たっぷりとお伺いしました。

ゲストプロフィール

藤井 涼さん
CNET Japan編集長/UchuBiz編集長

1986年生まれ。2010年に朝日インタラクティブに入社し、CNET Japan編集部でGAFAを始めとするテクノロジートレンドを取材。2019年5月にCNET Japan編集長に就任。2022年4月からは宇宙ビジネスメディア「UchuBiz」の共同編集長を兼務。日々の取材に加えて、2020年度からはオンラインセミナーや音声番組にも注力。海外取材にも注力しており、近年では2019年に中国の深セン、2020年にアフリカのルワンダで現地取材。そのほか、経済産業省「U30関西起業家コミュニティ」や「OSAP」のメディアメンター、朝日新聞デジタル「コメントプラス」のコメンテーターなど。趣味は漫画(特に「ジョジョの奇妙な冒険」)と複製原稿コレクション、バンドカラオケ、ビリヤードなど。 Twitter

▼音声で聴く方はこちら

知的好奇心を満たしてくれる領域を常に追い求めている

PR Table久保圭太(以下、久保):藤井さんとは前職時代から5年以上のお付き合いになりますが、実は僕の中のメディア像をとてもポジティブに変えてくれた原点のようなお方なんです。

これまで長くメディア業界にいらっしゃって、たくさんの広報・PRパーソンと出会い、やりとりしてきたと思うので、今日はメディアの視点から見たPRパーソンとの関係構築について色々お伺いできればと思います。

CNET Japan藤井さん(以下、藤井):そんな存在だったとははじめて知りました(笑)本日はよろしくお願いします。

久保:現在、藤井さんは「CNET Japan」の編集長を務めながら、2022年4月からは宇宙ビジネスメディア「UchuBiz」の共同編集長を兼務されていますよね。これまで様々な分野の広報の方と接する中で、業界による違いを感じることってありますか?

藤井:いわゆるITビジネスはもはやインフラになってきていますし、スタートアップ企業でもメディア側から声をかけることも増えました。私がメディア業界に入った12年前とは随分変化してきていると感じます。

ただ、宇宙ビジネスにフォーカスしたメディアはまだ国内にほとんど存在していないので、広報の皆さんはやっとこういうメディアが増えてくれた、ということで歓迎してくれていると感じますね。また、宇宙とひとことでいってもさまざまなジャンルがあり専門分野も違います。はじめてご挨拶するときにも、すごく丁寧にご説明いただく広報さんが多いなという印象があります。

▲宇宙が「近くなる」ビジネスメディア「UchuBiz」

久保:やはり専門的なご経験をされてきた方が宇宙ビジネスの広報に就いているケースが多いのでしょうか?

藤井:元々業界にいらっしゃった方だけでなく、IT系や別業界から入ってきたという方もいらっしゃいますね。以前よりお付き合いのあった広報さんが転職されたケースもありました。前澤さんの件もあり宇宙ビジネスの注目度が高まった影響もあるのだと思います。

久保:藤井さんは、元々宇宙がお好きだったんですか?

藤井:元々は「宇宙兄弟」や「スターウォーズ」が好きだったくらいです。ただ宇宙業界は何を聞いても新しいことや知らないことなので、知的好奇心を満たしてくれるワクワク感と、ビジネスとしてホットになりそうな市場だなという点に強く惹かれましたね。もうひとりの編集長の田中は、元々宇宙自体に興味をもっていました。違うタイプのふたりが運営しているのもいいなと思っています。

▷UchuBiz田中編集長と語る「宇宙ビジネス」の注目分野–音声番組「ニュースの裏側」#52

久保:CNET Japanも最新のテクノロジーやガジェットを取り上げたり、新しいもの好きな方が編集部に多い印象でした。宇宙という領域もそのひとつですよね。

藤井:そうですね。10年以上もITの業界にいると色んなキーワードが出てきますがサイクルが同じなんですよね。でもそこからもう少し先にある、わけがわからないことをもっと知りたいと思ったんです。2年前にアフリカのルワンダに取材にいかせてもらったんですが、そういった自分の常識を打ち破ってくれるような経験をどんどんしていきたいんですよね。そういう意味では「深海」とかも興味ある領域です。

久保:宇宙も深海も未知の領域ですもんね。一方、メタバースという別次元の果てしない空間に対してもテクノロジーが発展しているのも面白いですよね。

信頼できるPRパーソンとの関係構築

久保:これまでの記者経験において、PRパーソンとやりとりするうえで意識してきたことなどはありますか?

藤井:私は、誠意をもってお互い接する関係性になれるPRパーソンが好きなんですよね。

ただ情報をもらって記事を書いて終わりというだけでなく、たとえば、“なぜその情報を出したいのか”、それによって“どういう人の課題が解決できたり、どう社会がよくなるのか”を提案していただき、それに対してメディアとしては“こういう切り口で紹介できるのではなないか”、というやりとりを経て記事をつくる。そうすることで、結果的に社会に対して良い影響を及ぼしたりできるような信頼関係ですね。

馴れ合いにはならないように線を引きながらも、共に良いものをつくろうという姿勢でアウトプットができる広報さんもたくさんいらっしゃるので。そういう方と今も一緒に仕事できているのはありがたいと感じますね。

久保:違う会社に転職したあと、また繋がったりということがありますもんね。

藤井:これだけ長くやっていると、小さなスタートアップにいらっしゃた方がたとえばGoogleに転職されていたりとか、そういうご縁によってまた新たな企画に繋がったりしていきます。お互いどこに所属しているというのは関係なく、対「ひと」としてのコミュニケーションは大切だなと思いますね。

久保:メディアもPRパーソンも所属はどんどん変わっていく時代ですし、そこでまた新しいプロジェクトが生まれていくのは面白いですよね。他に何か、この10数年の中で感じるPRパーソンとメディアの関係の変化などはありますか?

藤井:私が記者をはじめた頃は、テクノロジー系の企業がまだそこまで社会的に評価がされておらず、まだ個人情報問題や「インターネットこわい」というようなネガティブな報道も目立っていました。そういう意味で、大手企業はテレビや新聞の取材は受けるけど、Webメディアはあまり相手にされないということもありましたが、今はかなりフラットになってきていると感じますね。

あと、スタートアップの広報の方が、副業で他のスタートアップのお手伝いをされるケースが増えましたよね。それはすごく感じる変化です。

久保:副業での広報ニーズもかなり増えてきていますよね。

藤井:信頼できる人から声をかけてもらえれば、その人が副業している会社なら大丈夫だろうという信頼がありますから。では一度話を聞きましょうか、という風に繋がる可能性が上がるかもしれないですよね。

久保:副業も転職もあたりまえな時代において、会社だけでなく「ひと」でリレーション構築していくことが大事ということですね。

メディアとして心がけているスタンス

藤井:最近の変化だと、私たちのようなWebメディアだけでなく、テレビや新聞の記者の方でもSNSのメッセンジャーなどで連絡をとることが増えたというのは、広報担当から聞きますね。

久保:コロナ禍になって、メディアや記者とのコンタクトの取り方も工夫が問われてきていますよね。CNET Japanさんのスタンスとしては、どのように連絡をいただけると嬉しいと感じますか?

藤井:さすがに全く関係ないことだと記事にできませんが、ある程度サイトを見ていただいたうえで、これはどうだろう?というものがあればあまり情報を絞らずに連絡をいただきたいですね。私はなるべくフィードバックをするようにしているんです。“こういう文脈で書けそうです”とか、書けない場合は“こういう情報があるとありがたい”など。

久保:そういう丁寧なコミュニケーションで向き合っていただける方という印象が昔からあります。そして、藤井さんがそういうスタンスだからこそ、PRパーソンと誠実な関係性を築きやすいんだろうなと思いました。

藤井:たしかに。メディアの方に連絡しても無視されたり、なかなか既読もつかないケースも多い、というのはよく聞いたりしますね。もちろん情報量の違いもあるでしょうけど。

久保:これを機に、視聴者の方はCNET Japanさんに気軽に連絡してみていただければと!

藤井:そうですね、その際にはぜひ「このラジオを聴きました」と言っていただけたらスムーズだと思います(笑)

▷藤井さんのTwitterはこちら

今後もイベント・カンファレンス盛り沢山です!

久保:藤井さんがこれから挑戦していきたいことや展望などはありますか?

藤井:コロナ禍になってから、オンラインイベントやPodcastなど、テキスト以外の情報発信を増やしていきました。また新しいことやってるね、と言われるようなことを止めずに続けていく。そうするとまた次のチャレンジが見えてくると思いますので、やりながら走りつづけていきたいと思っています。

久保:ありがとうございます。最後にこれをみているPRパーソンに伝えたいことがありましたらどうぞ。

藤井:2022年下半期も、CNET Japanでは「フードテック」カンファレンスや「オープンイノベーション」をテーマにしたイベント、UchuBizでも宇宙カンファレンスを冬にやろうとしていて、イベント尽くしです。先日、「スマートシティ」カンファレンスが終わったばかりなんですが、またすぐにモデレーターの日々が始まります(笑)ぜひお時間あるときはご視聴いただきたいです!

久保:あらゆるところで情報発信されている藤井さんの動向を今後もぜひ皆さんチェックしてください。ぜひまた、バンカラもご一緒しましょう!ありがとうございました!

※バンカラ:藤井さんが大好きな、生バンド×カラオケを楽しめるバー 

関連情報

■藤井さんのプロフィールまとめ記事
https://note.com/ryofujii1986/n/n93bf65108595

■CNET Japan
https://japan.cnet.com/

■UchuBiz
https://uchubiz.com/

パーソナリティーのご紹介

久保 圭太

株式会社PR Table / PR室マネージャー /Evangelist

北海道札幌出身。二児の父。 PRSJ認定PRプランナー。 ITベンチャー企業にて広告企画営業、人事戦略、PRの責任者を経て、2018年よりPR Tableに参画。 カンファレンス企画や自社オウンドメディア運営を統括し、Public Relationsの探究活動を行う。その後、PRコンサルタントとして顧客向けのオウンドコンテンツ企画・活用支援に従事。2020年よりCS組織の立ち上げを経て現職。

ストーリー:はじめて感情がグルグルした仕事がPRだった。だから僕はこの会社の一員になった