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株式会社TRAILBLAZER 

JR西日本が新たにデジタル子会社を設立。Beyondge×PR Tableと共に取り組む採用ブランディングへの挑戦と実現したい未来とは


デジタル人材の採用が企業の競争力に大きくかかわる時代となっています。JR西日本では、グループが実現したい未来をデジタル面から支え、事業横断での価値を創出する人材の受け皿として、2023年10月2日にデジタル新会社「TRAILBLAZER(以下、トレイルブレイザー)」を設立しました。

今回は、トレイルブレイザーの設立を主導し取締役として会社を率いる宮崎祐丞氏と、同社の構想策定から会社設立、採用ブランディング戦略、採用実務まで一貫してサポートするBeyondge代表取締役CEOの野上隆徳氏、動画や記事コンテンツ制作の側面から携わるPR Table共同代表取締役・大堀航が鼎談を実施。デジタル人材の採用やトレイルブレイザーにかける期待などを語り合います。

INDEX


Profile

宮崎 祐丞 さん
株式会社TRAILBLAZER 取締役

2001年JR西日本へ入社。主に新幹線の軌道保守分野の技術者としてその安全性・競争力向上施策に従事。英国サウサンプトン大学大学院にて軌道工学分野の修士号を取得。現在はTRAILBLAZER取締役、またJR西日本デジタルソリューション本部のグループマーケティング推進部とデータアナリティクスの担当部長として、戦略アナリティクスによる効果的なマーケティング及び鉄道車両・地上設備メンテナンスのAI & IoTの活用による生産性向上の実現に取り組みながらJR西日本グループのDXをリード。また、過去に海外鉄道事業推進室を兼務し、ブラジル鉄道事業において軌道分野の技術支援や、現在でも軌道関係の鉄道国際規格の審議に日本の国益を守るべくISO国際エキスパートとして参画する顔も持つ。

野上 隆徳 さん
Beyondge株式会社 代表取締役CEO

アクセンチュア、デロイトトーマツコンサルティング、イグニション・ポイントを経て、スタートアップ創出・育成とエンタープライズのグロースハックを支援するイノベーションスタジオであるBeyondge(ビヨンジ)株式会社を創業。BeyondgeのCEOの活動と並行して、複数スタートアップを創業・イグジットしたシリアルアントレプレナーとして、スタートアップの創出・バリューアップを積極的に進めており、現在も複数スタートアップにて役員を兼務して支援している。

———–

聞き手:大堀 航
株式会社PR Table 共同代表取締役

2008年、大手総合PR会社のオズマピーアールに入社し、IT企業を中心に広報戦略立案・実行業務に従事。2012年、レアジョブに入社し、広報責任者として2014年6月に東証マザーズ上場に貢献。2014年12月、弟の大堀海とPR Tableを創業する。有名ベンチャーキャピタルより累計11億円強の資金調達を完了。企業の採用課題を解決するデジタルPRソリューション「talentbook」を通じて、これまで累計1,000社以上の大企業・成長企業の情報発信を支援している。


一段ギアを上げて、デジタル活用と顧客体験向上を進めるための新会社設立

PR Table大堀航(以下、大堀):本日はよろしくお願いします。まずは宮崎さんより、トレイルブレイザー社設立に至った背景をご紹介いただけますか。

トレイルブレイザー宮崎(以下、宮崎):JR西日本社内に、前身となるデジタルソリューション本部が立ち上がったのが、2020年10月のことでした。そのきっかけはコロナ禍により、一時約9割の旅客需要が蒸発したことです。さらに、リモートワークの浸透等の行動変容が起きているので、収束したとしてもコロナ前の水準には戻らないと考えられました。

我々は事業として収益確保のサイクルを再設計しなければならない。そんな危機意識から、デジタルツールを通じてリアルの場でお客様にリーチし、当社が「WESTER(ウエスター)体験」と称する顧客体験を提供するべく、デジタルソリューション本部を立ち上げました。

▲株式会社TRAILBLAZER 取締役 宮崎 祐丞 さん

2023年からの中期経営計画では、もう一段ギアを上げてデジタル活用とWESTER体験の向上を進めていくことを定めました。たとえば、今力を入れているのが決済システムです。決済システムは今までの交通とは領域が異なるため、当然競合も変わってきます。決済系のプレイヤーと戦うことを考えると、鉄道業界では強みとなってきた「安心・安全」「確実性」などの文化だけではダメで、「柔軟な発想」や「展開のスピード」が重要となってきます。

そういった展開を考えた場合、領域にふさわしい組織能力を身につける必要がある。そのために、デジタル人材を集め、育成し、その領域で戦える力を整備していきたいと思い、トレイルブレイザーの設立に至りました。

大堀:新会社設立にBeyondge野上さんはどのように関わっていったのでしょうか。宮崎さんとは以前からお付き合いがあったのですか。

Beyondge野上(以下、野上):宮崎さんとのお付き合いは、昨年末頃、トレイルブレイザーのJV(ジョイントベンチャー)先である株式会社ギックスと相談していく中ではじまりました。その中で、JR西日本の顧客体験をつくっていくにあたり、JR西日本の中だけでは今求めているデジタル人材を集めきれないという課題があることをお聞きしました。

JR西日本のカルチャー、人事制度では、必要なエンジニアやデータサイエンティストと言ったデジタル人材を採用していくことが難しいとの結論になったため、デジタル人材が魅力的と感じるカルチャーや制度を備えた新会社をつくる必要があると考え、構想策定のプロジェクトを一緒に進めていくことが決まりました。構想の検討が始まったのは今年の2月頃でしたね。

▲Beyondge株式会社 代表取締役CEO 野上 隆徳 さん

宮崎:元々、JR西日本の持つデータを生かしたソリューション会社の構想はありました。ただ、売上や収益の継続性に懸念もあったのでいったん様子見となっていて。昨年末のタイミングでギックス代表の網野さんと話していたときに、今のデジタルソリューション本部のメンバーは優秀ですが、今後到来する世の中を考えると、圧倒的に数が足りないということに気づきました。そして、特にデジタル領域を得意とされていて、網野さんとも知り合いだった野上さんをつないでいただき、プロジェクトが始まりました。

大堀:ミッション、ビジョン、バリューも拝見しましたが、バリューに関西弁が取り入れられていてユニークですよね。

野上:「伸びしろしかない」というのは宮崎さんの発案で決まり、残りの2つはそれに合わせてトーンを設定していきましたし、日本の場合、昔から西日本から変わってきたと言う想いをバリュー、ビジョンに反映できているのは面白いかと思っています。

▲TRAILBLAZERのバリュー

JRの看板だけでは採れない人を採るために。「人」に焦点を当てながら働き方をイメージしてもらう仕組みが重要

大堀:大企業がデジタル子会社を設立するというニュースはここ数年特に多いと感じますが、あまりうまくいっていないケースも見られます。ただ今回のトレイルブレイザー社には、すごく血が通っている感じがするんですよね。

宮崎さんが持つスタートアップファウンダーのようなストーリーと、それについてきてくれる仲間も含めて「スタートアップっぽさ」があるからこそ応援したくなるのかなと思います。今回、意思決定の難しさはありませんでしたか?

▲株式会社PR Table 共同代表取締役 大堀 航

宮崎:5、6年前だったら、我々がスタートアップのような尖りのある会社の能力を最大限引き出し、かつ我々も幸せになれるような付き合い方はできなかったと思います。ただ幸いにも、ギックス社とは6年前からお付き合いしてきて、最もwin-winになる付き合い方がわかってきたので、検討に際して社内の抵抗のようなものはそこまでありませんでした。彼らは我々が意思決定する過程における徹底来な議論を戦わせるスパーリングパートナーであり、いいコンビネーションで質の高いアウトプットを出してくれる存在として受け入れられたということです。

野上:大手の事例はかなり研究し、スピード感をもって質のいい人材を集められる座組として、ギックスさんとのJVという選択になりました。JVにしている分、JR西日本本体の制度やカルチャーに引っ張られすぎることを避けられるのではないかということも考えた上で意思決定しています。

大堀:なるほど、納得感があります。本プロジェクトにおいて今回、コンテンツ制作や採用ブランディングを支援していく中で、PR Tableに依頼をしていただきました。その理由や狙いをお伺いできますか。

野上:新会社では、自分たちがどういう会社で、どういう人に活躍してほしくて、どういう働き方をしていくのか、といったことを候補者にきちんと伝える必要があります。トレイルブレイザーでは、JR西日本という看板では採れないような人を採りに行こうとしているので、なおさら重要です。

これらをきちんと発信しようとしたときに、talentbookは、人に焦点を当てながら、働き方をイメージしてもらい、納得して入社してもらうのに一番いいメディアプラットフォームであり、コンテンツ制作のノウハウやクオリティにおいても、PR Tableさんは長けていると感じています。今回は短期間でギュッと候補者に届ける仕組みをつくりたかったので、信頼を置いているPR Tableさんにお願いしました。

大堀:お客様からいろいろなプロジェクトにお誘いいただくことが多いのですが、Beyondgeさんの案件は毎回チャレンジしがいがあり、やってみたいと思うものばかりです。我々だけではコミュニケーションできない方とつながれるという意味でもいい機会をもらっているなと思います。

野上:Beyondgeでは採用支援のRPOも行っています。だからたとえば、「こういうタイプの人を採用したい」としたときに、その方のインタビュー記事をつくってtalentbookで公開し、記事とセットでダイレクトスカウトを打ったり、エージェントに対して、「この記事を見せて志望度を上げてください」と伝えたり、コンテンツの使い方の部分も多様です。

Beyondge×PR Tableの強みを活かしながら、採用ブランディングから候補者とのコミュニケーションまで連携

大堀:少し上段の、今のデジタル人材の採用市場についてもお話しできればと思います。

いろいろなお客様とお話しする中で、特に大手企業はDX、IT人材の採用に苦戦しています。社格だけで人が取れていた時代から、求職者側に大きく2つの変化があるからです。「キャリア」と「やりがい」です。

特に専門性の高い人材、優秀層と言われる人材は、この2つに対する意識が高くなっています。採用コミュニケーションは今、マス型からパーソナライズ型へと言われていますが、労働市場では本当にきめ細かなコミュニケーションが企業に求められていることを強く感じます。

野上:今回のトレイルブレイザーを含め、JR西日本のデジタルソリューション本部の取り組みは壮大で難易度が高い。大手のWebサービスが競合になることも増えていくので、採用においても、やりがいや「ここでできること」がすごく重要になってきます。

JR西日本は、関西の大都市圏もあれば山陰山陽地方といった、それこそ“伸びしろしかない”地域も含まれているので、この両方をフィールドにしてデータを使い、体験を変えていくことで、地域活性につながる等のやりがいが伝わるといいのではないかと思っています。

大堀:宮崎さんはこれから本格的に採用に関わっていくと思いますが、現状感じられている課題や変化などはありますか?

宮崎:私たちのチームに、某研究所から出向に来ていたドクター人材が、出向期間終了後に転籍してくれた例があります。私たちと共に成果を創出し、チームの大切な一員として密なコミュニケーションを2年間取っていったことで、来たいと思ってもらえたのです。これからトレイルブレイザーでも、そういう例をつくっていきたいと思います。

私自身は採用に関してまだまだ未経験と変わらないレベルなので、きちんとキャリアとやりがいの掛け合わせを訴えて、採用市場でもWESTER体験を提供していきたいですね。

大堀:これからギアを上げて採用活動を進めるということですが、トレイルブレイザーの採用ブランディングの全体像をお伺いできればと思います。

野上:今回トレイルブレイザーに入ってきてほしい方は、職種としては、データサイエンティストとエンジニア。あとはビジネスとデジタルの架け橋としてのデジタル系企画職。それぞれプロフェッショナルに来ていただきたいと思っています。

トレイルブレイザーはフルリモートで働ける環境ではありますが、西日本に思いがある人、自分のデジタルのケイパビリティを使って、自分が育った街に貢献したいと思っている人にとっての1つの選択肢として、しっかり提示していきたいと思います。

魅力としては、JR西日本が持つ大きなフィールド、膨大なデータを活用できるということ。「大企業だからスピード感が遅いのではないか」という懸念も、トレイルブレイザーはうまく解決できる組織に既になっていて、今後もなっていくので、そのいいとこ取りができる環境です。こういったことをうまく伝えていく採用ブランディングをしていこうと思います。

大堀:具体的にどんな取り組みが予定されていますか?

野上:まずは採用サイトの構築です。talentbookを使わせていただいて、そこに記事と動画を定期的に載せていきます。その上で、採用候補者がよく見るようなメディアにも露出し、情報を拡散していくための仕込みをしています。

一方で、今は立ち上がったばかりで知名度がないので、少し広告も出しながら流入をつくり、できるだけ短い期間で知名度を上げていく仕掛けも実施中です。

▲talentbookで公開されている社員のストーリー

宮崎:いわゆるオールドメディアには、JR西日本グループとして「目指せデジタル銘柄」という文脈で打ち出しています。採用という視点では、基本的にはWeb媒体で、採用ペルソナに合致するようなメディアに気軽に取り上げてもらう方向で考えています。

大堀:そういった取り組みの中で、PR Tableはコンテンツ制作、動画制作、広告配信の役割で入らせてもらっている感じですね。宮崎さんから、改めて採用していきたいターゲット像をお伺いできますか。

宮崎:公式的には4つの点を提示しています。

1つ目は、Sierやパートナーなどの立場で事業会社のサポートをしているものの、「やっぱり最後までかかわりたい」「手触り感のある仕事がしたい」と感じている人。

2つ目に、弊社には、面として西日本地域というベースがあり、ここで取り組むことで大きなインパクトが出せます。関われる面の大きさに魅力を感じる人に来てもらいたいです。

3つ目は、西日本地域に愛着を持っている人。

4つ目は、鉄道及び関連事業というインダストリーに興味のある人です。

それに加えて、もちろん誠実であることはベースとして見ますが、これまでのJR西日本にはいなかったような、いい意味で“かき回してくれる方”だといいなと思います。

野上:我々は採用全体の戦略やコンセプトを専門で支援していますが、具体の「どう発信していくか」についてはPR Tableさんに強みがあると思います。だから我々が「こういうタイプの人をこのコンセプトで何人採用したい」と相談し、PR Tableさんから、「こんな感じで記事と動画を出していくといいのではないか」という風に手段を提案してもらい、一緒に形にして届けていくという座組は最適ですよね。

大堀:ありがとうございます。これまではPR Table単体で動くことが多かったのですが、こういう風にパートナーとしてBeyondgeさんと一緒に動いていくのは新しい展開です。採用ブランディングだけでなく、候補者との長期的な視点を持った1to1コミュニケーションを一緒に行い、このフォーメーションで結果を出したいなと思います。

トレイルブレイザーをJR西日本の競争力の源泉に

大堀:最後に、お2人から今回の取り組みに対する期待をお伺いします。

宮崎:データを用いた採用ブランディングを行って、反応を見ながら改善を繰り返すことで、採用領域のノウハウを身につけられるチャンスだと考えています。またその過程で我々は、PR TableさんとBeyondgeさんのエッセンスを吸収し、経験値が少ないながらも、昨日できなかったことを今日できるようになっていき、2社と一緒に成長していけたらと思っています。数年後には、JR西日本が勝っている競争力の源泉が実はトレイルブレイザー社であるという重要な存在になっていたいです。

野上:通常我々は、採用ブランディングから採用の実務のところまでのかかわりなのですが、トレイルブレイザーのケースでは、会社の構想から社名やロゴやバリューの策定も一緒にやらせていただいています。それを入り口にしているからこそ、採用までの一気通貫度合いが高い取り組みになっているので、この後も成功と言えるところまで一緒にやりきりたいなと思います。

大堀:支援を通じて企業様に育てていただくケースは、PR Tableでもこれまで非常に多くありました。今回のプロジェクトでも、ぜひいいヒントをいただきながら、レバレッジをかけられるような動き方をしていきたいと思います。ぜひ今後ともよろしくお願いします!

関連情報

▶️TRAILBLAZER コーポレートサイト
▶️TRAILBLAZER talentbookページ
▶️本取り組みについてのプレスリリース