金属缶からPETボトルまで。容器において業界最大手を誇る東洋製罐株式会社。包装容器づくりのリーディングカンパニーとして業界を牽引しており、国内に15の事業拠点を持ち2,600名以上の社員が活躍している。
そんな東洋製罐株式会社では、社員のコミュニケーション活性化を促す社内広報と、採用広報の強化を目的に、2021年4月にtalentbookを導入。そこで、導入してからの半年間、talentbookを活用してみての感想や、導入のきっかけとなった「働き方3.0プロジェクト」、今後のビジョンについて人事部の今中 岳史さんに伺った。
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導入背景
・「従業員の成長」を「会社の成長」につなげるためのプロジェクト「働き方3.0プロジェクト」の中で2021年度から社内広報の強化を進めていくにあたり、社内報のウェブ化を進めようというところからtalentbook導入の検討がスタート
・「働きがいの醸成」という点では若手社員のエンゲージメント向上や、社員間の相互理解を促したいと思っていた
・「採用力強化」の観点では、入社前後のギャップを極力減らすための情報発信を強化したいと思っていた -
導入の決め手
・社内コミュニケーションの活性化や採用力強化に関する施策など、幅広い目的で活用できると感じた
・記事制作においては、取材・ライティング業務などをご支援いただけるため、少ない工数で魅力的な記事作成の実現ができると感じた
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効果
・ストーリーが掲載された社員のうち、83%が「社内コミュニケーションが生まれた」と回答
・記事制作は4名で役割分担をし進行。6ヶ月で9本の記事を公開することができ、発信体制の基盤ができた
・分析機能を活用し、記事ごとにどのチャネルからどのくらい読まれているのか測定し、数値的に広報施策を振り返られるようになった
INDEX
歴史ある企業が「talentbook」を導入した決め手とは?
左上 今中さん:労務業務や安全衛生、福利厚生などを担当、働き方3.0プロジェクトを推進
右上 沖野さん:制度の企画、ツールの導入、talentbookのメイン窓口を担当
右下 林さん:社内報、福利厚生、talentbookの人選や依頼を担当
左下 松浦さん:給与計算や勤怠管理 talentbookの取材から記事アップ、社内周知を担当
──talentbookの導入背景として「働き方3.0プロジェクト」があったと聞いています。そもそもどういったプロジェクトなのでしょうか?
今中さん:「働き方3.0プロジェクト」は簡単に言うと「従業員の成長」を「会社の成長」につなげるためのプロジェクトです。
組織の改革を目指して、「働き方の改革」に加え、「ダイバーシティ推進」、「健康経営推進」、この三つの取り組みを一元化して、最終的には従業員の成長、会社の成長、それが顧客への信頼やプロダクトを通じて社会に貢献する。これらを目指していくプロジェクトになっています。
「働き方改革」と言うと、時間外労働の削減などで、働きやすさを改善するという取り組みがメインになるかと思います。しかし、そこからもう一つ進んで、単に、時間外労働の削減だけではなく、特に従業員の、働きがい・やりがいの向上を中心に据えていきたいという思いからスタートしています。働きやすい、働きがいのある会社を目指すプロジェクトです。
──そのプロジェクトの中で、なぜtalentbookを検討されたのでしょうか?
今中さん:2020年度まではテレワーク制度導入やフレックス制度の条件緩和といったどちらかというと働きやすい環境の整備を中心に行ってきました。
2021年度からは働きやすさに加えて、働きがいを提供すべく、副業制度の導入やキャリア開発サポート、社内広報の強化といった施策を検討・実行しています。
その中で、社内報のウェブ化を進めようというところからtalentbook導入の検討が始まりました。
「社内広報」と「採用広報」を両立させるtalentbookの活用法
──働きがいの醸成だけでなく、採用広報の観点でもtalentbookをご活用いただいていますが、改めてtalentbookの活用目的を教えてください。
今中さん:2つあります。
1つ目は先ほどお伝えした働きがいの醸成を目的とした社内広報。
2つ目は採用活動の強化を目的とした採用広報です。
働きがいの醸成という点では若手社員のエンゲージメント向上と、社員間の相互理解を促す目的。
採用観点では、入社前後のギャップを極力減らすための情報発信強化の目的でtalentbookを活用しています。
これら2つの情報発信でどちらにおいても「人」を軸としたコンテンツが重要と考えています。
──それではtalentbookでストーリーを制作する際に、どのようなテーマ企画・人選を行っていらっしゃいますか?
今中さん:当初は、若手社員の活躍に焦点を当てて、ストーリーを制作していきたいと考え進めていたのですが、現在では若手社員の活躍に加えて多様性も意識しています。
弊社はメーカーなので様々なバックグランドを持った社員が在籍しております。
それを体感してもらい、採用力の強化と社員の働きがいを醸成できるよう、多様な部門から若手に限らずベテラン層・管理職・子育て層など、さまざまな角度で世代を問わず人選をするように意識しています。特に「若手社員の活躍」はテーマ選定の当初からキーワードとなっていました。
記事テーマについては、チームで決めていく方針をとっています。プロジェクト開始時に大枠の年間スケジュールとして、20記事分のテーマすべてを仮で決定。その後、どの順序で発信していこうかというところまで決めていきました。
テーマの微調整しつつも半年間回してみて、そのタイミングで、残りの半年間どうしていくかというところでテーマの見直しも行いました。そのように年に2回、大きなテーマ選定をして、その他は微調整する流れで進めていきましたね。
人選の仕方は2パターンあり、1つ目は各事業所にテーマを伝えて事業所で人選して貰うパターンで、2つ目は本社である程度社員をピックアップして依頼するパターンです。
後者は対象が少ないニッチなテーマの際に行っており、テーマに沿って臨機応変に進めています。
──talentbookを活用し半年間で9本ストーリーを出されましたね。どのような体制で運用されているのでしょうか?
今中さん:4名体制で分担をしながら運用をしています。記事の制作に関しては制作支援オプション(talentbook ディレクターチームがインタビュー・執筆までを支援するプラン)を活用しています。
具体的な運用方法としては、1人の担当が1人のタレントを一気通貫でやるのではなく、人選・調整・公開・分析・管理など分業制で進めている形ですね。
──そうして作ったコンテンツは、どのように社内外に届けているのでしょうか?
今中さん:まず、社内のイントラです。工場ごとのイントラ掲示板もあるので、そこに載せるのが1つ。
2つ目が、社内報です。弊社では四半期に1回発行しているのですが、社内報の裏表紙にtalentbookの記事を掲載しています。
他には、食堂などにある物理的な掲示板です。そこに記事の見出しを載せて、QRコードで記事へ誘導したり、高卒採用用のパンフレットをつくって、訪問したときにお渡ししたり。そのように届けています。
──talentbookの分析機能を活用し、どの記事がどのチャネルからどのくらい読まれているか分析されているかと思います。この半年間の数値はいかがでしょうか?
今中さん:talentbookを始めて9記事を公開しての時点ですが、約4,000ユーザーに記事を読んでいただきました。
社内ではすでに約3〜4割くらいの方に見ていただけています。チャネルとしては、社内のイントラが90%程度ということで圧倒的に多いです。社内報で見たという人も8%程度いて、社内報経由でも一定数見てもらえています。
ただやはり、工場・製造現場の社員の方に読んでもらいたいという想いは強いので、今後talentbookに載っている記事を冊子化して、配布していくような取り組みも検討しています。
導入から半年が経過。東洋製罐が描くタレントストーリーの活かし方
──ここまでのtalentbookでの取り組みを振り返ってみていかがだったでしょうか?
今中さん:インタビューが掲載された社員(タレント)の方へアンケートを取ったところ、コンテンツへの満足度と社内コミュニケーション発生の有無という観点では、どちらもポジティブな結果が出ています。
コンテンツへの満足度としては全員が「満足」と回答、社内コミュニケーションについては83%の社員が「社内コミュニケーションが生まれた」と回答しています。
また、社員(読み手)の方にもアンケートを取ったのですが、こちらも全体的にポジティブな反応でした。印象的だったのは「talentbookのコンテンツを読むきっかけとなった」のが「会社のお知らせで掲載されていたから」という回答が多く、地道に届け続けた結果、少しずつ取り組みが認知されてきたなと感じました。引き続き工夫をして社内に届けていきたいと思います。
──今後のtalentbookの活用ビジョンを教えてください。
今中さん:今後は、採用観点から内定者の方がtalentbookを見ていたかアンケートを取って、コンテンツの有効性があるかの確認をしたいです。
また、全社的にもtalentbookを、社内広報・採用広報を加速させるために活用をしていき、PDCAを回して社内のタレントのストーリーをより活かした広報活動に取り組んでいきたいと考えています。
──引き続きtalentbookを通じて広報・PR活動の伴走パートナーとしてご支援させていただきます。貴重なお話をありがとうございました!
※掲載内容は取材当時のものです。
ー編集後記ー
まずは、半年で9記事を出せたことが素晴らしいと思いました。最初は発信の体制づくりや企画・人選、取材、確認といった記事作成の一連のプロセスに慣れることに時間がかかる企業様が多いのですが、企画や役割分担などで工夫をし、進められていたのが我々も学ぶポイントでした。
また、talentbookは「つくる・活用する・分析する」の3つの段階を踏んでPDCAを回しながら発信の生産性を上げていくサービスなのですが、ここの部分を6カ月で一通り回せたのもみなさまの頑張りがあってこそだと思います。さらには、定性・定量的な視点で、今後の着手ポイントが見えたのは、良いペースで活用ができている証だと思います。引き続き、伴走させていただきます。
文責:株式会社 PR Table 川島