2024.02.29
事業内容
従業員数
空間創造における、調査・企画・コンサルティング、デザイン・設計、制作・施工 ならびに運営・管理
乃村工藝社グループ全従業員数(契約社員含む) 2,406名
導入目的
人を軸にした広報活動の促進
実施施策
戦略策定、記事制作、活用、分析
主管部署・担当
ビジネスプロデュース本部 ブランドコミュニケーション部 部長 田中 摂氏
ビジネスプロデュース本部 ブランドコミュニケーション部 ブランドマネジメント課 春名 宏美氏
課題
導入の決め手
※株式会社PR Tableは2024年11月にtalentbook株式会社へ社名変更しました。
※所属・職位は、記事公開時/2024年2月29日
商業施設やホテル、企業PR施設、ワークプレイス、博覧会、博物館などの企画やデザイン、設計、施工から運営管理までを手掛ける空間の総合プロデュース企業、株式会社乃村工藝社は2021年で創業130年を迎えました。
そんな歴史の中でも、積極的な情報発信に舵を切り出したのはここ数年のこと。これまで黒子として多くのお客様、エンドユーザーに空間を通してあらゆる価値を提供してきた同社が、積極的な情報発信に転じることになった経緯と打ち手について、ビジネスプロデュース本部 ブランドコミュニケーション部の田中様、春名様に伺いました。
── まずはじめに、乃村工藝社の事業内容とビジネスプロデュース本部ブランドコミュニケーション部としてのミッションについて教えていただけますでしょうか。
春名さん:商業施設やホテル、企業PR施設、ワークプレイス、博覧会、博物館などの企画やデザイン、設計、施工から運営管理までを手掛ける空間の総合プロデュース企業として、2021年で創業130年を迎えました。その長い歴史の中で培ってきた総合力を生かしながら、 昨今はフィジカルとバーチャルを融合させた、リアルだけではない空間価値の提供を行っています。また、昨今は持続可能な社会を実現するために事業活動を通じて、幸せなインパクトを社会に生み出すソーシャルグッド活動を推進しています。
ブランドコミュニケーション部のミッションは、乃村工藝社グループの活動や事業内容の認知拡大、また当社グループへの共感イメージ醸成をミッションにしています。
── 乃村工藝社グループの活動や事業内容の認知拡大、またグループへの共感イメージ醸成というミッションを掲げるようになったのにはどのような背景があったのでしょうか。
田中さん:「黒子の美学」という言葉があるのですが、私たちは、空間づくりを通じてお客様の事業が成功すればそれで良い、自分たちが目立つ必要はない、という黒子に徹する文化が長くあったように思います。
しかし、空間づくりに求められるものは、依頼を受け、竣工して終わりではなく、その空間がもたらす地域への価値や、次世代へ伝えていく価値づくりも含まれていると考えています。
弊社にはどうやって地域の人に愛されて長く続いていく空間になっていくかなどを考えながら、取り組んでいる社員がたくさんいるにもかかわらず、竣工写真をサイトに載せるだけに留まっていました。
そんな中、10年ほど前からいろいろな企業が空間づくりの分野に参入しはじめ、空間づくりを長らく生業にしてきた会社として、乃村工藝社がたくさんの空間づくりをお手伝いしていることを知ってもらう必要性を感じ始めたのが背景になります。
また、そもそも弊社の事業は多岐にわたるため、非常に分かりにくいものですから、空間づくりのプロセスや事業のケイパビリティを丁寧に発信する必要性を徐々に感じていました。
こうした課題に対する打ち手として、プロセスを伝えたり、社員に仕事内容や想いを語ってもらって「こういう人が関わっているなら一緒にやってみよう」と思っていただければと考えています。
この施策以外にも、お客様の理解促進を目指して、コーポレートサイトをリニューアルしたり、リリースをたくさん打ったり、SNSを活用したりしていまして、ここから本格的にゴールを見据えて活動していくステップです。
── 積極的な情報発信にシフトされたのは、創業130年の歴史の中でも大きな変化だったのでしょうか。
田中さん:そうですね。以前はどちらかというと炎上などの情報発信のリスクを抑制する守りの広報という意味合いも強く、チームも管理部門の中にありました。現在はビジネスプロデュース本部という新たな事業を創出していく部門に部署が移り、広報だけではなくブランディングも担う部署へという意味も込めて、部署名も変更となりました。
ただ、やはりお客様がいての乃村工藝社なので、乃村工藝社が前面に出ていくというよりは、伝えるべきことはしっかりと伝え、お客様にも価値が提供できるようであれば、さらに積極的に動くという形ですね。
社員がお客様と丁寧にコミュニケーションを取りながら、バランスを取って広報活動を進めています。
── 事業理解を深める「人」を通した企業広報を積極的にされていく動きの中で、talentbookを導入いただいた決め手はどこだったのでしょうか。
春名さん:提携しているメディアが複数あったり、毎月2、3本の特集を組み、掲載されているストーリーをご紹介されていて、 載せただけで終わらずに、さまざまな拡散の仕組みがあることがとてもいいなと思っています。社員紹介をして自己満足で終わるのではなく、いろいろな人にみてもらえますからね。
また、いろんな企業さんがtalentbookを利用されているので、他の会社の担当者様も乃村工藝社の記事を見てくださるのではないかというところも決め手の一つです。
機能面でいうと、コーポレートサイトなどのサイトに埋め込むことができるガジェットのhtmlタグを自由に発行できることもありがたいなと思っていました。 サイト内に埋め込まれたガジェットをクリックすると他の社員の記事も読めます。talentbookを利用している多くの企業さんがその機能を活用されているように、いろいろなところに導線を作りやすいですよね。
── talentbookの活用がスタートし、現地点でお役に立てているポイントはございますでしょうか。
春名さん:取材執筆の工程がとても助かっていますね。取材を受けるメンバーも、取材慣れしているメンバーばかりではないのですが、 talentbookの方々のヒアリング能力や、ざっくばらんに話した内容を一つのコンテンツとしてまとめ上げる力量を感じます。正直、社内で取材や執筆をしてもtalentbookに掲載しているようなコンテンツのようなクオリティにならないなと思っています。弊社の業務はわかりづらいと思うのですが、業務内容も丁寧にヒアリングし、わかりやすくまとめてくださっていますね。
── 嬉しいお言葉をありがとうございます。引き続き取材・執筆をサポートさせていただければと思います。そんな中で今後のストーリー発信計画をお聞かせいただけますでしょうか。
田中さん:弊社には企画を担当するプランニング職、デザイン・設計を担当するデザイン職、制作・施工を統括するディレクター職、プロジェクトマネジメントやお客様とのコミュニケーションを担当する営業職とバックオフィス系のスタッフ職があります。
これらの職種をバランスよく掲載することは大前提であるものの、近年弊社の業務は他領域に渡ってきており、施設の運営管理や空間を活用した社会課題解決など、事業開発的な部分を担うメンバーも増えています。一段と竣工写真だけでは伝わりにくい部分だと思いますので、今後はそういった社員にも登場してもらいたいと思います。
春名さん:内容としては、ソーシャルグッド性の高い実績や社会にインパクトを与えたプロジェクトを推進している方を中心に取り上げているのですが、ベテランの方ばかりだと同様の内容になってしまう可能性もあるため、中堅層や若手層も人選するようにしています。もっと基本的なところで言いますと、ディスプレイ業界は泥臭い部分もある一方で、男社会という訳ではなく、性別にかかわらず活躍している方は数多くいるんです。なので、そうした部分も伝えられるように男女のバランスには気をつけていますね。
── 社員ストーリーの活用方法で工夫されていることはございますでしょうか。
田中さん:社内的な活用としては、現在はtalentbookが社内報的な役割にもなっています。今まで「出る杭は育つ」というテーマで、伸び盛りの社員を取材し、社内報で紹介していたのですが、今はtalentbookに統合し、talentbookの記事を社内で告知するようにしています。
ストーリー:博物館などの文化施設をプランニング。地域に寄り添いながら、新しい文化を築く
春名さん:社外的にはやはりお客様と接する社員が、名刺代わりに活用しているケースが多いですね。自身の経歴や携わったプロジェクトが時系列で語られているので、仕事に対する想いなども含め、自己紹介しやすいようです。サイトのビジュアルとして、見せやすいサイトだなという印象です。実際に「自己紹介に使うのにとってもいいんだよ!助かった!ありがとう!」という言葉をもらいますし、クライアントさんからもご好評をいただいたという声もありました。
また普段は記事のリンクを送ったり、その場で記事をお見せしたりしているのですが、弊社名を検索したお客様が記事をみたというご連絡を担当者に直接いただいたりとまさにコミュニケーションの種になっているんです。
── 貴社ではオウンドメディアとして「nomlog(ノムログ)」や「WE ARE NOMURA」も運営されていますが、それぞれの立ち位置や役割の違いはどのように置かれているのでしょうか。
田中さん:ノムログはどちらかというと、プロジェクトの裏側、日々の取り組み、独自の考察を発信する場という立ち位置です。一度はお会いしたことのあるお客様が、乃村工藝社の担当者が空間に対してどのように考えているのかを知っていただくイメージです。
田中さん:talentbookは、乃村工藝社の事業や領域、どのような人財が働いているのかをお客様に理解していただく場と定め、フォーマットや表現なども揃えるようにしています。
お客様の理解促進と乃村工藝社のファン作りという点では被るものの、ノムログは社員の主体性を尊重して運営し、社員を知ることでお客様にファンになっていただく。talentbookは会社を理解していただくという目的で棲み分けています。
── WE ARE NOMURAとtalentbookの連携についてもお聞かせください。
田中さん:WE ARE NOMURAは2017年頃に、人財を知っていただこうという思想から始めたのですが、サイトがCMSのように簡単に更新できる仕組みではなかったため、ほとんど更新できていないまま時間が経っていました。
田中さん:改めてサイトのリニューアルを考えた際に、サイトにCMS機能を設けて更新していくよりも、talentbookと連携してコンテンツを増やした方が良いと判断し、WE ARE NOMURAの名前は残しながらコーポレートサイトに統合しました。
── talentbookでの発信をスタートされて、現地点で感じられている変化などはございますでしょうか。
田中さん:新しい位置づけに転じてから3年ほど経ち、部署のメンバーも業務が増え忙しくなっていると思うんです。 ただ、部署のメンバーみんなが積極的に現場の社員と関わり、広報活動をしているので、「こういうことも広報に活用してくれないかな」といった相談も増え、会社の中の広報に対するイメージが変わってきています。
talentbookに関しては、まだはじめて数カ月ということもあり、まだまだこれからというフェーズです。しかし、弊社はメーカーのように物を作っている訳ではありませんし、システムを保有している訳ではなく、働く社員が資産。だからこそ人を理解してもらうことが大事だということが、社内でも理解が進んでいると思います。
個人的な期待としては、せっかくtalentbookのようなプラットフォームを使わせていただいているので、 自社サイトとの相互流入が増えると嬉しいなと思っています。
── ありがとうございます。最後に、乃村工藝社として事業理解を深める「人」を通した企業広報に取り組む意気込みや今後の展望を教えてください。
春名さん:私個人としても、社員の顔が見える形でそれぞれの個性や実績を発信していきたいと考えていたので、talentbookで社員の温度感が伝わる発信ができることが嬉しくて。よく、部署の中で乃村工藝社にはおせっかい気質の人が多いという話をするのですが、そのような会社の雰囲気や風土を感じ取ってもらえるようなブランディングができればと思っています。
田中さん:弊社の仕事はほとんどが人に集約されているので、 人を通じて乃村工藝社を知っていただくことを大切にしていきたいですね。talentbookのメディアパワーを活かし、コンテンツが展開されることで、より多くの方に乃村工藝社の人を知っていただければいいなと思います。