〜理念浸透が企業組織を強くする〜 経営管理基盤における企業理念の重要な役割とは?
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企業にとって成長は至上命題であり、組織の大小問わず永遠のテーマですが、このテーマを検討する場合に多くのビジネスパーソンは「経営戦略」という言葉が頭によぎるかと思います。確かに経営戦略は会社の行く末を左右する大きな要素ですが“企業理念・企業カルチャー”も実は経営戦略と同じように、時には同等以上に重要な要素だと言われています。
経営管理基盤は、企業理念(=ビジョン/ミッション/バリュー)を実現するために必要な全ての組織や制度/ルールのことを指します。競争力の高い企業は、この経営管理基盤と企業理念がしっかりと接合されていて、それによって企業カルチャーの醸成/浸透が促されています。
本ウェビナーでは、デロイト トーマツで経営コンサルタントとして大手企業を中心に多くの経営課題解決に向けた支援に携わってきた田村氏より、経営管理基盤の全容と“企業理念・企業カルチャー”の重要性についてお話いただきました。また、440社以上の組織課題の解決支援や企業理念の浸透をサポートしているUnipos代表 斉藤氏からは、企業理念浸透のポイントについてお話いただいております。モデレーターには、“企業理念・企業カルチャー”の社内外への発信/浸透を推進するクラウドサービス「talentbook」を提供するPR Tableから、執行役員の菅原が登壇しました。
今後更に重要性が増す “企業理念・企業カルチャー” そしてそれらを組織に反映する経営管理基盤について、経営企画/人事/広報担当者必見のウェビナーとなりました!
ここでは、ウェビナーの冒頭をご紹介させていただきます。
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はじめに (自己紹介)
弊社:本日は『経営管理基盤における企業理念の重要な役割とは?』ということで、デロイト トーマツ グループの田村有さん、Unipos代表の斉藤和明さんにお越しいただいております。本日のセミナーは、Q&Aから質問を頂いたり、チャットで反応を頂いたりしながら、楽しくお話できたらと思います。
それではお二人の自己紹介を頂ければと思います。まず、斉藤さんから自己紹介をお願いします。よろしくお願いします。
斉藤和明氏:Uniposの斉藤と申します。よろしくお願いします。Fringe81株式会社という会社の執行役員と、その中でUniposカンパニーの代表を務めさせていただいております。
学生時代は東京大学に在学しておりまして、そのときはスタートアップでmikanという英単語アプリの会社を立ち上げておりました。そのときはCTOでしたが、数人から十数人くらいの組織でしたので、組織づくりや事業づくり、諸々含めて、ゼロイチの立ち上げ期を経験しました。その後、第二新卒でFringe81に入社しました。
社内創業のUniposの社長と、東証マザーズ上場企業の執行役員と、スタートアップの立ち上げというところで、いろいろなフェーズの経営マネジメントをさせていただいた経験から、プロダクトにも落とし込んでいきながら、顧客の皆さまの組織づくりをご支援させていただいております。
「自律的な意思決定を促す権限移譲はどうやったらできるのか」ということが、私の組織づくりのテーマでございます。本日は、その理念の在り方というところをぜひお話しできればなと思っております。よろしくお願いします。
弊社:お願いします。では、続きまして、田村さん、よろしくお願いします。
田村有氏:デロイト トーマツ グループの有限責任監査法人トーマツで、リスクアドバイザリー事業本部に所属しております田村と申します。
主な仕事は、大手製造業や総合商社など、海外にも子会社がたくさんあるような日系グローバル企業様のグループ経営管理・ガバナンスの高度化や買収後の統合(PMI)に関わる支援をさせていただいております。
その中で、従来のように厳格でガチガチなルールや制度をつくってグループ会社や社員をマネジメントするという発想から、最近ですと、先ほどの斉藤さんのお話にもありましたように、グループ会社や社員に「企業理念や戦略に沿った自律的な行動を促す」といった発想も織り込んだうえで、ハード面の仕組みの構築を支援させていただく機会も増えているということで、今日、このようなトピックで講演機会を頂いている次第です。
また、大企業だけでなく、スタートアップ企業向けに組織づくりや経営管理の立ち上げ等に関わる支援もさせていただいております。力強い理念を掲げ、マネジメントの仕組みとして、理念に対する自律的な行動を促進させたい、という想いが特に強いスタートアップ企業への支援で得た知見と、大企業ならではの課題理解も踏まえて、今日はお話しできればと考えております。少しでも参考になればと思いますので、よろしくお願いします。
“Purpose”に基づいて社員全員が行動するためには
田村有氏:多くの日本企業で、企業の存在意義である”Purpose”や戦略を実現するにあたり、経営管理基盤(組織、業務・プロセス、制度・システム、ルール・規程)が最適化されていないケースが見られます。例えば、「全社横断でのイノベーション創出」を志向しつつ、実際には組織のサイロ・縦割り化を助長する組織体制になっている、またはグループ会社や社員の短期目線な利益追求を助長するKPI設定や評価制度になっている、などが分かりやすい例かもしれません。
グループ会社や社員の行動は、経営管理基盤を通したガバナンスによって直接的な影響を受けます。そのため、仮に経営陣が「Purposeや戦略の実現のために、グループ会社や社員に自律性を発揮して事業活動に取り組んで欲しい」と思っていても、それを後押しすることをコンセプトとした経営管理基盤でなければ、グループ会社や社員は経営陣の期待と、実際に業務で影響を受ける仕組みのギャップに板挟みになり、組織はうまく回りません。
日々激しく変化する事業環境において、リスクを的確にマネジメントしつつ、Purposeや戦略に沿って一人一人が自律性を発揮して価値創造に取り組むには、トップによるPurpose Drivenな組織マネジメントのもと、それと一貫性のあるコンセプトで経営管理基盤が設計されることがとても重要です。そのような”Purpose Driven”な組織をつくるために必要なこと。スライドではその主な四つのポイントをお示ししています。