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Notion Labs, Inc.

求める人物像・職種からの応募率が半年で70%増加。Notion Japanが採用活動において大切にしていること


2022年6月に日本法人「Notion Labs Japan 合同会社(以下、Notion Japan)」を設立したNotion Labs, Inc. 。

日本での採用活動を本格化していく中、プロダクト「Notion」の認知度は年々高まってる一方で、“働く場としてのNotion”の魅力が伝わっておらず、求める人物像・職種からの応募が少ないという課題を抱えていました。

そこで、人にフォーカスした採用広報を強化するためtalentbookを導入。記事の制作・発信・採用活動の中で記事を活用をし始めること約半年で、求める人物像・職種からの応募率が半年で70%増加しました。

そんなNotion Japanが採用活動において大切にしていることや採用広報の計画について、Notion Japan 人事部 シニアリクルーター 奥井 啓介氏にお話しを伺いました。

INDEX

Notion Labs, Inc.


導入目的:
キャリア採用における認知・興味関心の促進、志望度の醸成
支援内容: 採用ブランディングにおける戦略策定、記事制作、活用、分析
主管部署・担当:Notion Japan 人事部 シニアリクルーター 奥井 啓介氏

■課題
・プロダクトとしての「Notion」の認知が高まっている一方で、Notionのミッションや働く環境、一緒に働く仲間など、“働く場としてのNotion”についての発信ができていなかった
・採用したい営業やテクニカルサポート人材からのプロダクト認知度が低く、採用したいターゲット層に適切に情報をリーチできていなかった

■導入の決め手
・人にフォーカスした記事を少ない工数で制作でき、コンテンツを軸に採用広報を強化できると感じた点

■コンテンツの活用方法
・スカウトを送る際に該当職種のコンテンツリンクを添付し、Notion Japanで働くイメージを掴んでいただくことで応募を喚起
・面接前に候補者へコンテンツリンクを送付し、事前に会社やポジションの理解を深めてもらうためのコンテンツとして活用
・社員の記事を発信し、社員の元同僚や友人知人にリーチさせることで、リファラル採用を促進

■成果

・1年間で応募者数が昨対比約1.4倍
・求める人物像・職種からの応募率が70%アップ

Notion Labs, Inc. talentbookページ
https://www.talent-book.jp/notion

Notion日本法人立ち上げと共に、採用広報活動を本格スタート

── まずはじめに、Notion日本法人立ち上げの背景を教えてもらえますでしょうか。

▲Notion Japan 人事部 シニアリクルーター 奥井 啓介氏

奥井さん:サンフランシスコに本社を置くNotion Labs, Inc. が提供するプロダクト「Notion」は、あらゆる情報をオールインワンで管理し、各ユーザーが柔軟にカスタマイズ可能なSaaSツールです。全世界のユーザー数は3,000万人以上。2021年9月から翌年の同月までに新規開設されたワークスペースが約3倍と、いまもユーザー数は急増しています。

日本のみなさまにより良いサービスを提供していくため、2022年6月に日本法人「Notion Labs Japan 合同会社」を設立しました。実は、アメリカ以外で最初にできた拠点が日本なんです。

法人立ち上げの2年前、日本一号社員として入社していた西(現ゼネラルマネージャーアジア太平洋地域担当)から「そろそろ本格的に人を増やすフェーズに入るので興味ありませんか?」と連絡をいただき、私は2022年10月に入社しました。現在は、採用チャネルや採用広報の仕方、切り口など採用に関してかなり裁量を与えられています。

── Notionが採用活動において大切にされていることや工夫など教えていただけますでしょうか。

奥井さん:2022年の初めごろまでは、世界で採用する全員をCEOのIvan自らが最終面接を実施していたくらい、採用活動を大切にしています。Notionとして、素晴らしいプロダクトを作ってそれをユーザーに届けるというミッションがありますが、結局それをやるのは全て「人」というところに帰結するんです。

単純に営業のスキルや、過去の会社での実績があるということよりも、ミッションに対して高い熱量で共感をして、どんな困難があったとしてもそれに一緒に立ち向かっていける人かどうかが大切だと思っています。

それを体現するエピソードとして、Ivanはどの職種であっても、本当にこの候補者がNotionのバリューに沿っているかをインタビューする「バリューインタビュー」というものを実施していました。

規模が拡大して現在はIvan自身が「バリューインタビュー」を行うことは難しくなりましたが、カルチャーとして受け継いでおり、採用担当者がCEOと同じような視点を持って採用活動をすることをとても大事にしていますね。

求める人材へのプロダクト認知や働く場としての理解が不十分だった

── そのような方針の元、日本での採用活動を本格化していくにあたり、どのような課題を感じられていたのでしょうか?

奥井さん:プロダクトとしての「Notion」の認知は日本でも徐々に高まっていたのですが、Notionのミッションや働く環境、一緒に働く仲間など、“働く場としてのNotion”についてのコンテンツが不足している状態でした。

そもそもオフィスは日本にあるんだっけ?みたいな認識が世の中的にあったと思うんです。私が候補者と初めて接点を持った時も「Notionさんも日本にオフィスがあるんですね」といった反応をもらいました。実際どういう人がいて、どんな環境かということを知る術が1年前はありませんでした。

── プロダクトの認知が徐々に増えていても、今のフェーズにおいてNotion Japanの仲間になっていただきたい人材からのエントリーを増やす上では広報活動に課題があったのですね。

奥井さん:そうですね、Notion Japanとして採用したい営業やテクニカルサポートなどは、実際にNotionをヘビーに使っているエンジニアやデザイナーの方とは少し異なるプロフィールでした。ITツールの営業をされている方には、プロダクト自体の認知も低く、我々が採用したいターゲット層に適切にリーチできていないという課題を持っていました

── そうした課題を解決するために、talentbookで発信をはじめられたのですね。

奥井さん:もちろん母集団形成をするという採用広報の目的もありつつ、実際に応募いただいた後、選考中の候補者の志望度が醸成されていくようなコンテンツも作って発信できればと思い、導入しました。

本社でも、日本は採用活動において独特のカルチャーがあるという認識があったので 、グローバルのコンテンツや英語の情報だけだと、なかなか日本の候補者にはリーチできないという点にも理解はありました。なので、人にフォーカスした採用広報のために、talentbookを活用したいと言った時も理解が早かったです。

会社が伝えたいことだけでなく、候補者が求めている情報をどれだけ伝えられるか

── 具体的には、どのようなコンテンツをtalentbookで発信されているのでしょうか。

奥井さん:基本的には採用したい職種の現場社員やリーダーの記事を最低1記事ずつ。 その中で、なぜ社員がNotionに入社したのか、その背景や実際に仕事をする上で大切にしていること、業務の内容についても触れることで、候補者により働く場としてのNotionのイメージを持っていただきたいというのが一番です。

▲talentbookで制作・公開中のNotion Japanで働く社員ストーリー

奥井さん:我々に限らず、採用において一番の理想は、会社として活躍してもらえる人材をしっかり定義して、候補者の方も、自分が本当に実現したいことができる環境で活躍してもらうこと。しかし、現状では会社側が候補者を選ぶというパワーバランスや考え方が強い企業も少なくありません。

会社側が見繕った情報やいいことだけを伝えることで、実際に入社したあと、「こんなはずじゃなかった」と短期間で転職をせざるをえない状況になるというのを私も数多く見てきました。そうならないためには会社側から積極的に発信して、候補者が選択していく上で欲しい情報を届けるのが大事かなと感じています。

── Notionはイラストで社員の皆さんの発信を統一されている印象がありましたが、顔写真を公開することに抵抗はありませんでしたか?

奥井さん:おっしゃる通り、本社は社外に発信するときもアイコンをメインにした世界観で統一しているのですが、採用広報に取り組むとなった時に、やはりアイコンよりも実際の人物が見えた方が、親近感が沸きますよね。実際に社員の表情が見える方が、記事と相まって温度感も読者の方に伝わるかなと思い、ビジュアルも大事にしたいなと思いました。本社からも特にNGはありませんでした。

talentbookでの発信によって求める人材からの応募率が70%増

── 採用活動でコンテンツを活用したことによる変化などがあれば教えてください。

奥井さん:まず、コンテンツの活用チャネルとしては主に二つです。一つは、私が毎日スカウトを送る際に、該当職種のコンテンツのリンクを添付しています。

Notionの良さをスカウト文だけで伝えるのは無理があるので、営業であれば営業の社員インタビュー記事を添えているのですが、割と候補者の方が読んでくださっている印象です。働く場としてのNotionや社員の入社背景など、より多くの情報をスカウト段階で得ていただくことで、応募喚起につながると思います。

もう一つは、面接する候補者に、事前に会社やポジションの理解を深めてもらうためのコンテンツとして活用しています。面接準備に役立ててもらうというところが一番活用している部分かもしれません。

あとは、実際にインタビューした社員の記事を、社員の元同僚や友人知人が見かけて、メッセージをくれるという話は結構聞いているので、リファラルを促進するという観点でも役立っていますね。

── 採用の目標人数は達成されたとお伺いしました。今期、talentbookの活用を振り返ってみて、いかがでしたか?

奥井さん:特に外資系だと、本社にROIといった費用対効果の数字を導入に際して聞かれるのですが、なかなか広報活動は数値化しにくい部分がありますよね。

そこで、自社のPV数だけでなく、同じような業界、社員数の組織平均と比較したベンチマークレポートや、記事に対しての各反応が数値化されているレポートをtalentbookの担当者からいただけたのは、本社にレポートする上で非常に役立ちました。

実際にtalentbookを最初に見て、そこからNotionを知って応募して入社に至ったという部分の数字はまだ明確に見えてはいないのですが、私が入社してから1年で応募者数自体は約1.4倍まで上がりました。もちろん採用広報だけじゃなくてNotionのプロダクト自体の認知が上がったことも寄与はしてると思いますが、実際、応募者数はそれだけ増えています。

また、面白いデータとしては、求める人材からの応募者率が70%アップしたんです発信前は、プロダクトとしてNotionを知ってる人はいたものの、先ほどお話ししたような働く場としてのNotionをイメージしづらく、ある意味とりあえず応募してみる、という感じがあったと思うんです。

── 実際に候補者からの反応などで感じた変化などはありましたでしょうか。

奥井さん:スカウトに返信いただいて面談した方から 「読みました 」と言われたり、 「何を大事にして仕事をされているかがすごく伝わって興味を持ちました」、という声をいただくことが多くなりました。

その後、応募に至って選考する中でも、現場の採用マネージャーに会う前から、ジョブディスクリプションだけではわからない実際の仕事のやりがいなどが記事から伝わり、志望動機を考える材料やきっかけになったという話は一際耳にします。

透明性の高い情報発信を通じてWin-Winな関係性を築ける組織づくりを

── これから新たに採用活動でチャレンジしていきたい取り組みはありますか?

奥井さん:具体的な人数はまだ未定ですが、おかげさまでNotionの業績が好調なので、引き続き人材採用は継続していく予定です。本社とも継続的に採用広報に力を入れていく必要があるという話はしていて、今年度で採用したいポジションの記事はできたので、今後は動画を制作していきたいなと思っています

活字よりも動画の方が圧倒的に読者へ伝わる情報量が多く、インパクトが強いのは明確なので、Notionのカルチャーや社員の魅力や雰囲気を可視化して伝えられたらと思っています。と同時に、より透明性の高い情報発信ができればなと思います。

正直、今の我々のフェーズはチャレンジが多く存在しています。もちろんエンゲージメントを意識して楽しいイベントもやるんですが、みんな数字を徹底的に意識し、日本でもっとNotionを広めていくために日夜努力しています。大変なこともたくさんあるので、そういう部分も含めて、チャレンジングなことに取り組みたい、ハングリー精神、自分達でビジネスやチームを作り上げるビルディングマインドセットのある方にぜひ入社していただきたいですね

── 奥井さんご自身の展望があれば最後にお聞かせください。

奥井さん:私自身は13年採用の仕事をしているのですが、Notionで採用を1年やってみて、“1人を採用することが会社の事業や組織に与えるインパクトがこれだけ強いんだ”というのを改めて実感しています。

まだ入社して3ヶ月未満であっても、すぐに新しい考え方や視点をチームに提供して、目に見えて事業や組織にインパクトを与えていたりするのを間近で見ています。

だからこそ、可能な限り候補者との丁寧な対話を通じてお互いが満足できるような採用活動を継続していきながら、双方向で透明性の高い情報発信を通じて、Win-Winな関係性を築ける組織にしていきたいなと思います。