24卒の変化を捉えた採用広報コンテンツ3つのポイント
次年度の新卒採用のメインとなる24卒学生は、従来の学生とは異なる価値観・志向性を持っていることが調査で明らかになっています。今回はその変化や背景を基にして、企業がどのような情報を発信すればよいのか、そのポイントについてお伝えいたします。
INDEX
コロナ禍入学である24卒学生のキャリア観とは?
次年度の新卒採用のメインとなる24卒学生は、従来の23卒学生とは異なる価値観や志向性を持っていることが明らかになりました。その最たるものとして企業選びの優先順位が挙げられます。
ワンキャリアの調査では、「自分のなりたい職種である」という項目が初めて1位にランクインしました。1学年上の23卒学生の回答では3位だったこの項目は、今や新卒就活生が考慮する最も重要な要素と言えるでしょう。なぜ職種重視の傾向なのか、その背景には24卒の学生が直面している2つの影響があります。
まずは「学生時代の空洞化」です。
24卒学生は2020年4月の大学入学以来、学生生活をすべてコロナ禍で過ごしています。すなわち、大学生活のほとんどがオンライン上で行われてきたのです。サークルやアルバイト等についても同様で、これらのオンライン化の影響により23卒以前の学生が当然のように構築してきた人間関係、友達や先輩との繋がりが希薄になってしまったことが、彼らの大きな特徴です。
入学前に想像していた学生生活を送ることが難しく、就職活動においても学生時代に頑張ったこと、いわゆる「ガクチカ」を語れない学生も多くいるといいます。
また前述の人間関係の希薄化が進んだことにより、就活について相談できる友人や先輩などもおらず、自身の就職活動や今後のキャリアについて不安を抱いている学生が多いと言えるでしょう。
そして2つ目に、採用市場の変化です。
ワンキャリアの調査によると、24卒学生の約6割が転職を前提に就職活動を行っているとのデータが明らかになりました。この数字については年々上昇傾向にあり、24卒については半数以上が転職を視野にいれて就職活動をしている状況です。
終身雇用の崩壊が叫ばれて久しく、かつ未曾有の時代に学生生活を過ごした彼らにとって、現在の就職活動だけでなく、今後のキャリアについても大きな不安を感じていることは間違いないと言えるでしょう。
これらの背景から、24卒学生が職種を重視する傾向として「自分自身でキャリアを選択していかねばならない」という志向が伺えます。
転職が当然視されている時代において、彼らは新卒入社先で転職先でも活かせる経験やスキル・専門性を習得せねばならないという意識があると言えるでしょう。不確実な大学生活を過ごしてきた影響から、もし働き続けられない状況になった際に自身で転職という選択ができるのか。選択できないというリスクを背負わないためにも、会社ではなく自分自身でキャリアの主導権を握っていきたいと感じているといえます。
24卒の傾向を捉えた発信すべきポイントとは?
さて、このように従来の学生と価値観の異なる24卒学生に対し、企業はどのような情報を届けるべきなのでしょうか?
まずは、実際にその仕事で働くイメージを具体化させる「ジョブ・キャリアについての発信」です。
なりたい職種が企業選びの最重要事項となっている現在、その職種に配属された人はどのような仕事をしているのかという具体的な仕事内容や、どのようなキャリアパスを歩んでいるのか等の情報が、実際に働くリアルを伝える上でも非常に効果的だと言えるでしょう。
また、ここでの「キャリアパス」については社内のみに限らず、対外的な視点で情報を盛り込むこともおすすめです。
転職を当然視している彼らにとって、元従業員の退職後のキャリアについても関心の高い傾向があります。前職はどのような業界・仕事だったのか、また退職した後にはどのようなキャリアを歩んでいるのかなど、可能な限りオープンにしていくことも魅力的なコンテンツになり得るでしょう。
そして次に「職場のカルチャーについての発信」です。
職場の雰囲気や社風は企業選びにおいても重視している人が多く、また株式会社ワークスジャパンの調査(※)によると23卒の内定承諾の理由としても上位にランクインしています。
しかし、オンライン化が進む中で社風を伝えるのは難しいのではと感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこでおすすめのやり方は、そこで働く人や社員同士の関係性を示すことです。どのような理由で働いているのか、また、社員同士ではどのような関係性で働いているのかを対談形式等でオープンにすることで、学生に対しても十分に社風やカルチャーを伝えられるでしょう。
またこれら2つの情報を発信するにあたり、最も重要なポイントは「個人を主語にして発信すること」です。
ジョブ・キャリアやカルチャーについての情報は、いわゆる右脳的な情報です。対する左脳的な情報の例としては採用に関わるデータ等が挙げられますが、これらは企業を主語として発信されていることがほとんどかと思います。ジョブ・キャリアやカルチャーを伝える際には、主語を企業から人へ変換することにより更に共感を得やすく、その情報やコンテンツが魅力的かつ説得力のある情報に映るでしょう。
採用広報コンテンツ3つのポイントまとめ
◆24卒学生は学生生活のオンライン化による人間関係の希薄化・終身雇用の崩壊による採用市場の変化から「なりたい職種」を重要視しており、ファーストキャリアでは転職先でも活用できる経験やスキル・専門性を身につけたいという志向が伺える。
◆その会社で働くリアルを伝えるため、「ジョブ・キャリア」と職場の「カルチャー」についての発信が重要。また、社員を主語にした発信により更に魅力的なコンテンツに。
24卒学生のキャリア観の変化や背景、企業が発信すべき情報のポイントについてお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか?
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