2024.03.28
事業内容
従業員数
金融業およびその他付帯業務/法人業務、リテール業務、ウェルスマネジメント業務、投資銀行業務、
国際業務、金融マーケット業務など
32,786人(2023年3月末現在、単体)
事業内容 | 金融業およびその他付帯業務/法人業務、リテール業務、ウェルスマネジメント業務、投資銀行業務、 国際業務、金融マーケット業務など
|
従業員数 | 32,786人(2023年3月末現在、単体) |
導入目的
キャリア採用における認知・興味関心の促進
実施施策
戦略策定、記事制作、活用、分析、広告配信
人事部 採用・キャリアグループ 二宮 愛美氏
課題
導入の決め手
※株式会社PR Tableは2024年11月にtalentbook株式会社へ社名変更しました。
※所属・職位は、記事公開時/2024年3月28日
2021年4月、三菱UFJ銀行は急速な社会変化に合わせ、グループとしてさらなる成長を遂げるべく「世界が進むチカラになる。」という新たなパーパスを掲げました。既存の物事にとらわれない新しい発想でイノベーションを生み出すため、2021年頃からキャリア採用を強化。しかし、同行が積極的にキャリア採用を実施していることや、多様な人材が活躍できるフィールドがあることに対する世間の認知が少ないという課題認識がありました。
また、人材エージェントからの紹介を中心とした転職顕在層へのアプローチだけでは採用人数充足は年々難しくなっており、母集団を広げることと活躍している行員の情報を発信する必要性を感じていた背景から、talentbookにてコンテンツの制作・発信・活用を開始しました。
2023年12月時点で、今年度のキャリア採用数は当初の目標を超える人数になりそうだという同行の、talentbookを活用した採用ブランディングの取り組みについて、人事部 採用・キャリアグループの二宮 愛美氏にお話を伺いました。
株式会社三菱UFJ銀行 talentbookページ
https://www.talent-book.jp/mufg
──まずはじめに、三菱UFJ銀行の採用方針を教えてもらえますでしょうか。
二宮さん:これまで銀行は、貸出、預金、為替の三大業務をビジネスとしてきました。しかし、DX(デジタルトランスフォーメーション)やグリーンエネルギー分野への注目など、社会が大きく変容する中で、銀行ビジネスも大きく変革していく流れが生まれています。
その際、銀行ビジネスの延長線上に成長の源泉を見出すこともありますが、全く違う新しいビジネスを生み出していくこともあります。しかし、新卒入行のプロパー社員だけだと、 どうしても銀行ビジネスを中心に物事を考えてしまうこともあります。
そこで、全く異なる領域での経験やスキル、専門性を培ってきたキャリア入行者に参画いただき、 新しいイノベーションを生み出せないか、外からの風を取り込むことで、強い組織づくりのエンジンになり得るのではないかということで、2021年頃からキャリア採用をさらに強化しています。
──銀行=プロパー文化のイメージから実態は変わりつつあるのですね。具体的にどのような経験をされてきた方に来ていただきたいのでしょうか。
二宮さん:銀行ビジネスで新たなイノベーションを生み出すために、システム・デジタル領域で高度な専門性を有している方や、業界を問わず事業投資や事業開発を経験されている方、銀行以外の金融の専門性を持っている方々に、是非とも来ていただきたいですね。その中でも、特にシステム・デジタル領域の採用を強化しています。銀行はシステムが肝で、人とシステムがビジネスを支えていると言っても過言ではありません。
加えて、昨今のDX動向を考えると、最先端の技術を用いて 新しい発想でビジネスを創り出す必要があります。これまでは新卒で採用し、インハウスでエンジニアを育成してきましたが、新たなイノベーションを創り出すためにも、高度な専門性を有している方を強く求めています。
──キャリア採用を推進する中で、採用ブランディングを強化することになった背景を教えてください。
二宮さん:まず、当初銀行は新卒採用のイメージが強く、キャリア採用を積極的に行っていることが世間に十分に届いていないことが課題でした。
また、これまで採用数の約8割が人材エージェント経由に偏っていましたが、転職マーケットが過熱化する中で、転職顕在層へのアプローチだけでは求める人材を採用していくことが難しくなり、母集団を広げる必要性を感じていました。
そこで、まずはキャリア採用HPを充実させ、求職者の求める情報を一元化した上で、広告配信も実施しながら、採用HPへの流入を増やす動きをしました。試行錯誤していくうちに、採用HP経由やリファラルのようなエントリーも徐々に増えていきました。
しかし、これらの取り組みを行っても求職者の認知を変えるほどにまでは至りませんでした。銀行の保守的なイメージや、プロパー主義でジェネラリストを育成している年功序列な組織というイメージと、実態は全く違うことが世間に届いていない。このイメージを変えるには、単発で広告やタイアップ記事を打つだけではダメなんだろうなと。
銀行は大きく変化していて、多様な人材が活躍できるフィールドがあること。そして活躍に見合う評価や報酬が得られて、自己成長にも繋がる環境があることを、ストーリーラインをもって伝える必要性を感じていました。
──自らコンテンツを作り求職者に届ける動きをする中で、特にどこに課題を感じていたのでしょうか。
二宮さん:新卒採用に関するノウハウは一定あったものの、私たちがお会いしたい経験やスキル・専門性をお持ちの方々が一体どういうコミュニティにいて、どのようなコンテンツを届けたら三菱UFJ銀行に興味を持ってくださるのかが分からなかったので、まずは効果が高そうだと感じた媒体へ出稿するなど、トライアンドエラーの日々でした。
しかし、一先ずやってみるという形では、どうしても施策が点になってしまい、結果を次のアクションに繋げることができなかったんです。
──そのような状況の中、採用ブランディングパートナーとして「talentbook」を導入いただいた経緯を教えてください。
二宮さん:自分たちでSNSやビジネスメディアなどさまざまな媒体に広げるとなるとコストも大きくなりますが、talentbookではコストを抑えながら記事の制作から広告配信までをワンストップで行える点が最大の魅力でした。
また、talentbookのコンテンツは実際に働く行員のストーリーを通してプロジェクトの内容やそこにこめた想いを届けることができます。実際に働く行員の姿を正しく発信することで、銀行の旧来イメージの刷新にも繋がるのではないかと思いました。
銀行員の視点でしか見えないこともある中、多くの企業とタッグを組むtalentbookの経験や実績をもとにアドバイスをいただけることで、マーケット感に合わせた広報活動が実現できることは大変助かっています。
──2023年の7月頃からコンテンツの制作・発信・活用を積極的に行われたかと思います。どのような内容のコンテンツを制作し活用されたのでしょうか。
▲2024年3月現在、三菱UFJ銀行様のtalentbookページでは21のコンテンツが公開中
二宮さん:2023年は、システム・デジタル領域のキャリア入行者に、担当している新しいビジネスについて語ってもらうなど、キャリア入行者がさまざまな領域で活躍していることを伝えるコンテンツを制作しました。選考中の採用候補者へ記事URLを展開したり、ターゲットを絞った広告配信を用いて潜在層への発信などを行いました。
二宮さん:また、当初はキャリア採用HP内のコンテンツも少なかったのですが、talentbookで制作した記事を掲載していくことで、情報の蓄積ができてきたと感じています。これまでは採用HPを見てもほとんど情報がなく、「三菱UFJ銀行ってどんなところなんだろう?」と思われる方も少なくなかったと思うのですが、最近は候補者の方から記事を見たというお声もいただくようになりました。
また、候補者の方とお話しさせていただく中で、コンテンツを読み込んでくださっていることが伝わることもありますね。様々な行員の記事を読むことで、表面的なイメージだけではなく、我々の取り組みの詳細や組織のリアルな話を理解していただき、当行で働くイメージを持ってくださっているのだと思います。
──まずはコンテンツを制作・蓄積していくところができ、候補者がいつでも情報を見にこられる状態が整ったのは大きかったですね。その上で、2024年はどのような内容のコンテンツを制作し活用していきたいとお考えでしょうか。
二宮さん:引き続き記事制作に取り組み、年齢を問わず経験やスキル・専門性を評価し、個々の挑戦を後押しする仕組みがあることをメッセージとして伝えていきたいです。チャレンジ施策として、“就きたいポスト”や“やりたい職務”に自ら応募したり、アイデア・プロジェクトを自由に提案し自身がプロジェクトリーダーとなる制度などもありますので、そこで新しい業務に取り組んでいる方々のコンテンツなども作っていきたいですね。
もちろん、いいところばかりではなく、キャリア入行者が感じたリアルなギャップなども伝えられるといいなと思います。ギャップに対してどう行動したのか、その先でどのようなやりがいや自身の成長を感じているのかなど、実態を正しく伝えていきたいです。加えて、今後は動画コンテンツなど記事以外のコンテンツも新たに制作し、効果検証を重ねてみたいと考えています。
また、talentbookの記事から採用HPおよびキャリア採用に関する情報をお知らせする「キャリア登録」へ遷移する導線を設けています。今すぐ転職を考えていなくても、記事を読んで当行に興味を持たれた方にご登録いただくもので、ダイレクトな情報発信などを通じて、今後登録者の方々との関係を築いていきたいと考えています。
──ありがとうございます。最後に採用ブランディングに取り組む意気込みや今後の展望を教えてください。
二宮さん:この数年でキャリア採用者数は大幅に増加し、新卒採用と同等の採用比率となってきました。また、キャリア採用の内半分ほどはシステム・デジタル領域の方々であり、talentbookでの発信も寄与して、システム・デジタル領域の方々が働く場所、挑戦する場所としての認知がされ始めてきていることを実感しています。
2024年度は採用数がさらに増加する見込みであり、引き続き、我々が取り組んでいることや、これから挑戦しようとしていることを、正しく魅力的に候補者の方々に伝え、三菱UFJ銀行で働きたいと思ってもらえるような採用ブランディングに取り組んでいきたいです。また、実際に働いてみて「入行してよかったな。働き続けたいな。」と実感してもらい、この場所で働いていることを、誇らしいと思える会社であり続けたいと思っています。
そのために、我々が時代の変化をとらえ変革と挑戦を続ける組織であり続けること、キャリア採用の方々には多様なフィールドで培ってきたスキルや専門性を存分に発揮していただくことが重要ですし、talentbookと一緒にタッグを組むことで、こうした想いを世の中に伝えていけたらと思っています。今後も中長期的に会社の魅力を伝えるツールとしてtalentbookを活用していきたいです。
──引き続き、採用ブランディングの伴走パートナーとしてご支援させていただきます。本日は貴重なお話をありがとうございました。